日記・コラム・つぶやき

2010年11月11日 (木)

統計メーカー

このブログでは、聞きなれない『統計メーカー』ということばを、そのタイトルに使っています。何の説明も無く、こんなわけの分からないことばを使われても。。。という声もあるかと思いますが、それなりに思いがあって、このことばを使っています。

今まで、一切そういうことは書いてきませんでしたが、ここで、少しだけ、『統計メーカー』ということばにかけた思いを書いてみます。

『統計メーカー』ということばはそのとおり、統計の作成者のことです。そして、統計『ユーザー』ということばを意識して、あえて『メーカー』ということばを使っています。

どのような統計であっても、統計の「利用者」と「作成者」では、その統計に対する思い、理想について、違いがあるはずです。その上で、加工統計、2次統計という性格を持つSNAについては、そのギャップがより一層大きいのではないかと思います。

ひとつの例を挙げてみると、「利用者」としては、「できるだけ早期に推計値を公表し、そして、その推計値を頻繁に改定しないで欲しい」と考えるのではないかと思います。一方、「作成者」としては、利用者の気持ちはわかるのですが、「早期に推計値を公表した場合、追加のデータが入った際に『より正確な推計値』とするため、改定をした方がよい。そして、改定を恐れて、公表を遅くしたら、他の誰かが予測値を出すだろうから、それと公表値がずれたら、結局世の中に悪影響を及ぼすので、その時点で公表できるできるだけ正確な公表値を、徐々に改定していく方がよい。」という考えも持ってしまうのです。

また、「利用者」としては、「できるだけ過去からの長期系列を公表して欲しい」という思いがあるのではないでしょうか?一方で、「作成者」には「できるだけ過去まで遡りたいのだが、『原データ』が過去に遡って存在しないので、過去に遡れば遡るほど、『一定の仮定をおいた推計』の要素が大きくなってしまい、公表に耐えられるものになるのだろうか?」という不安も浮かんでしまうのです。

これらは、SNAが、加工統計、2次統計であることも、その要因のひとつなのかもしれません。

『統計ユーザー』と『統計メーカー』では、圧倒的に『統計ユーザー』の人数が多いですし、SNAの場合『統計メーカー』が公務員であることから、その思いを表立って言うことを憚る雰囲気があることから、『統計メーカー』の思いが、世の中にあまり伝わってないのではないかと思うのです。

そして、これは、『統計メーカー』だけでなく、『統計ユーザー』にとっても不幸なことなのだと思うのです。というのは、『統計メーカー』の思いの中には、

 ○気持ち的には分かるんだけど、技術的、原データーの制約からできないんだよなぁ。ただ、それだったら、こういうやり方で補完できるんだけど。。。

 ○その考え方は、前提となるある事実を誤解しているからなんだけど、その考えを主張している『統計ユーザー』は、この前提は知ってるのだろうか?

とかそういう気持ちもあったりするんです。

以前、「連鎖の開差」について書かせていただいたのも、こういった思いのひとつになります。

この、『統計メーカー』でなければ分かりにくいこと、考え付かないことについて、『統計ユーザー』も知っていれば、もっと、いいアイディアが生み出され、不毛な議論・作業が減るんじゃないかと思うのです。

このブログで、あえて『統計メーカー』ということばを使っているのは、こういう気持ちがあるからなのです。

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