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2015年2月 8日 (日)

三面等価(2)

では、ご質問にありましたように、生み出された生産物がどのように使用され、それが所得との関係でどのようなバランスにあるのかを分析するのは、前述のとおり、所得支出勘定や資本調達勘定などの別の勘定を見るのが適切なのではないかと思います。


というのは、家計を例として考えても、家計が最終消費支出を行うために使うお金は、その期間に得た雇用者報酬「だけ」から支出しているわけでは無いと思います。家計は貯金などから利子を得ているでしょうし、株式を保有していれば配当も得ることができます。また年金などの社会給付もあると思います。その反対に借り入れをしていればローンの金利も返済するでしょうし、社会保障の負担金支払いもあります。もそう言ったものをすべて加除した「可処分所得」がまずは家計最終消費支出を行う原資になると思います。


さらに言えば、当該期の「可処分所得」だけですべての最終消費支出を行う必要はないわけです。つまり、当該期は借金をしているけれども、後の期でその借金を返済するというようなこともできるわけです。
National Accountsでは、その概念が「貯蓄」でして、可処分所得-最終消費支出=貯蓄になります。つまり、当該期の可処分所得より多く使ってしまえばマイナスの貯蓄になり、逆であれば貯蓄が増えるということになります。


ここまでの分析をするための勘定が「所得支出勘定」になります。


更にこの貯蓄と比較して、どれだけ資本形成をしたかを比較するのが「資本調達勘定」です。この時に通常では、「総固定資本形成」から「固定資本減耗」を控除した「純固定資本形成」と「貯蓄」(こちらも「固定資本減耗」を控除した「純貯蓄」)を比較したものが有名な「純貸出(+)/純借入(-)」です。これは、「貯蓄」-「総固定資本形成」ですから、「純貸出(+)/純借入(-)」がプラスということは、設備投資までおこなった上で当該期にお金が余ったか、足りなかったかを示したものです。


資本調達勘定には実物取引と金融取引があるのですが、前述は実物取引の話でして、前述のとおり実物面で「純貸出(+)/純借入(-)」がプラスになれば、当該期にお金が余ったので、金融勘定でも「純貸出(+)/純借入(-)(資金過不足)」はプラスになっているはずです。(プラスであれば、その残りは現金で残るなり、預金で残るなり、資産が増えているので当然です。)


という形で、national accountsでは所得と使用、そして設備投資を含めた資本の増減と貯蓄の比較は別の勘定で分析できるようになっています。その話をGDPだけの三面等価に絡めて行おうというのは無理がありますし、少し筋が違うように思いますがいかがでしょうか?


次回に蛇足の話を。

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