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2014年12月

2014年12月 1日 (月)

連鎖指数

前回の続きで連鎖指数のラスパイレス指数とパーシェ指数の関係についてです。

まず固定基準で、ラスパイレス指数とパーシェ指数を例に挙げてみます。


Pを価格、Qを数量とすると、

ラスパイレス価格指数は、

1

パーシェ価格指数は、

2

ラスパイレス数量指数は、

3

パーシェ数量指数は、

4

となります。


ここで明らかに分かるのは、national accountsでは、価格指数(GDPデフレーター)として、パーシェ価格指数を、実質値として5
を用いていることが分かります。


これはすなわち、名目値/実質値がGDPデフレーターになるということなのですが、同じことが連鎖指数、特に現在JSNAやEU諸国で使っているラスパイレス連鎖数量指数の場合、そして最適指数でありながらより計算が複雑なフィッシャー連鎖数量指数の場合それぞれで同じことが成り立つのか見てみます。


連鎖パーシェ価格指数は、

6

連鎖ラスパイレス数量指数は、

7

です。

ここで、名目値8を連鎖ラスパイレス数量指数に基準年の名目値9を乗じたもの(実質値)で割ってみましょう。

10

11


となりました。つまり、名目値を実質値で割ったものは、きちんとパーシェ価格指数(GDPデフレーター)になりました。


なお、このラスパイレス連鎖数量指数を用いる方式はあくまで「次善の策」として採用されており、最も推奨されている指数作成方式は別にあります。そして、その最も推奨されている指数を採用している国もあります(カナダ、アメリカなどです)。


では、なぜ、EU、日本などでその最も推奨されている指数が採用されていないかというと、その指数がフィッシャー指数であり、計算が非常に複雑になるためです。

具体的に式を示すと、連鎖フィッシャー数量指数は、

12

で、連鎖フィッシャー価格指数は、

13

です。これを見ただけで計算手数が倍以上になり、推計手順が複雑化することがわかります。これだけのコストをかけるだけ、計測結果に大きな違いが出るかというと、実は通常はそこまで大きな違いはないようです。そのため、連鎖ラスパイレス指数の方を採用している国が多いようです。

ここで、基準年の名目値14を連鎖フィッシャー数量指数に乗じたものが実質値になるのですが、これで名目値15を割ると、

16

      17


と連鎖フィッシャー価格指数になることが分かります。


というわけで、national accountsで推奨されている数量指数、価格指数の計算方法は、いずれも名目値を実質値で割った物がデフレーターになるということが確認できました。

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