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2014年1月14日 (火)

「需要側と供給側」の2つの意味(追加)(2)

さて、話を元に戻しますと、日本ではどの統計がどれだけQE推計で利用できているかということですが、URLを提示してくださいました、「推計手法解説書(四半期別GDP 速報(QE)編)」に、実は、結構細かいことが書いてあります。

http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/reference1/h17/pdf/kaisetsu20130730.pdf

この参考4に、表になっています。「供給側推計」については、91品目ごとに、どれだけ生産されて、どれだけ最終消費支出に回って、という形で推計するのですが、その91品目をどの統計から持ってきて、その統計がいつ利用可能になるのか、そして、すべて利用可能でない場合には、どのようにして補外推計しているのか書いています。

これを見ると、「1 米麦」などは、いずれも「翌月下旬」までに公表されているので、翌々月中旬に公表される1次QEには利用できるということがわかります。一方で、生産動態統計などは、「翌々月中旬」となっており、実は3ヶ月目の統計は利用できていないことがわかります。但し、もちろん2次QEでは間に合います。

一方で、「需要側推計」を見てみると、家計最終消費支出の推計に用いられている家計調査は「翌月下旬」公表ですから、1次QEで間に合っていることが分かります。また、公的固定資本形成でたまに話題になる建設総合統計は「翌々月下旬」ということで、3ヶ月目は利用できていません。

「需要側推計」でやっぱり話題になるのは、民間企業設備の推計に用いている法人季報でしょう。これが「3ヶ月目の上旬」となっています。これは、2次QE公表にぎりぎり間に合うタイミングでして、逆に言えば、2次QEは法人季報(四半期別法人企業統計)を取り込めるタイミングで公表しているということなのです。

さて、以上のことを考えると、実は、日本では「需要側推計」だけでQEを推計しようとすると、今の2次QEのタイミングまで公表が遅くなってしまうということが言えるかと思います。なぜなら、民間企業設備の根拠となる統計が、それまでは全く取れないわけですから。。。

というわけで、「供給側推計」を取り込むことには、確報推計の推計方法に近づけることができる(といっても、基礎統計が異なるので、改定は避けられないのですが)ことに加え、1次QEの公表日を早めることができるというメリットもあったと評価できるのではないでしょうか?

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コメント

大変勉強になりました。ありがとうございました。
もし時間があったらでよいのですが、GDPを推計していく行程の具体的な記載をいただけないでしょうか。たとえば、どの程度分業しているとか、どういう時間軸で進んでいくのか、といったことは、外からはまったくみえません。海外に比べ日所に少数でやっているという声もききますし、また、いわゆる国2の方が支えている部分も少なくないともききました。

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