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2013年12月27日 (金)

「需要側と供給側」の2つの意味

ご質問をいただいておりながら、お返事ができておりませんでした。

 供給側統計と需要側統計を統合する際、下記では、0.5271というウェイトを使うようですが、これはどのように定めているのでしょうか。

 http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/data/reference1/h17/pdf/kaisetsu20130730.pdf

 理屈上、支出面=生産面が成立するはずなので、速報値は支出面だけでOKな気がしますが(支出データは月次でとられるものが多いので)、あえて供給側と統合させている理由がよくわからないです。支出面だけでやると、供給と一致しないから、そこのつじつまを合わせているのでしょうか。あるいは、支出面だけでGDPを出すと、過小評価させることが明らかなのでしょうか。

また、その追記として、

 GDPの供給と需要側の統合の質問についての追記です。中村洋一「新しいSNA」に下記のような記載がありました。

 **

 支出側の情報は支出行動の変化を直接的にとらえるというメリットがあるが、反面でサンプル調査を中心とするために異常値などのノイズを含む場合もある。これに比べると、供給側のカヴァレッジが広く速報性にも優れる場合が合うなどの長所がある。...供給、支出の両面からの推計を組み合わせるのは、2つの推計方法の端緒を補うことを目的としている。

 **

 やはり支出面だけだと、推定が荒いというのは理由なのですね。ただ、一方で、支出面と生産面の値に大きなギャップがあり、その調整の側面もある、という声を聞いたこともあります(記憶の間違いかもしれませんが)。

ご質問いただきありがとうございました。

需要側、供給側と言ったときに、異なる意味のことを混同して使う例が多々見受けられます。今回いただいたご質問は、その違いを考えるのに非常に良いご質問だと思いますので、その内容から考えてみようと思います。

まず、GDP(支出側)、GDP(生産側)というような言い方をしますが、このGDP(支出側)をもって需要側、GDP(生産側)をもって供給側と呼ぶような例があります。

このGDP(支出側)、GDP(生産側)というのは、何度もこのブログで書いておりますとおり、

GDP(支出側)= 最終消費支出 + 総資本形成 + 輸出 - 輸入

GDP(生産側)= 産出 - 中間投入

というGDPの三面等価のうちの2つのことを示しているわけです。

(ちなみに、もうひとつの三面等価は、GDP(分配側)=雇用者報酬+営業余剰+生産・輸入品に課される税のことです。)

このGDP(生産側)の推計方法は、産出は工業統計表で分かりますし、中間投入は産業連関表で中間投入比率が5年毎とはいえ産業ごとに分かりますから、これを用いれば推計することができます。

このとき工業統計表は、各財をどれだけ生産しているか把握するというまさしく「生産側」の統計ですから、このGDP(生産側)は、統計も「生産側」を用いているわけです。

長くなりそうなので、「GDP(支出側)」については次回以降に。

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