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2013年10月23日 (水)

政府の範囲

またまたご質問をいただいておりました。

一般政府(中央政府+地方政府+社会保障基金)というのは、SNAの用語のようですね。もしご存知であればでよいのですが、①SNAということは、各国の政府は一般政府で比較すべきなのか(してよいのか)、②なぜ国の大きさを一般政府という範囲で考えているのか、という点についてご意見いただければ幸いです。

というご質問です。国際比較と政府の範囲に関してのご質問で、非常に重要なテーマだと思います。ご質問いただきありがとうございます。以下、順に考えてみようと思います。

SNA(system of national accounts)の有用性は、一国経済の流れを、多くの「勘定(accounts)、「全部門(一国全体)」、個別の「制度部門(非企融法人企業部門、金融機関部門、一般政府部門、対家計非営利団体部門、家計部門)」集計しているということにあります。そして、国ごとに異なる制度でありながら、「できるだけ統一の基準」でこれらの勘定、部門(制度部門)を整理しているというところが長所だと思います。

この制度部門のひとつとして、いわゆる「政府」をまとめたものが「一般政府」ということになります。ですので、基本的に同一の基準で集計されたいわゆる「政府」を比較することができるという意味で、優勢性が高いのだと思います。

ですが、この同一の基準というものも結構厄介です。「一般政府」というと、各国ともに同じようなことをやっているように思えます。確かに、立法、司法、多くの行政業務などは分かりやすく、どこの国でも行っていると思います。しかし、特にその政府の活動の外延部分になると、国によってその制度は大きく異なります。

例えば、現在、日本では鉄道事業の大部分はJRという民間企業が活動しています。しかし、かつては「国鉄」という形で国が自ら鉄道事業を運営していました。しかし、世界中の国の中では、国営で鉄道事業を運営している例もあります。更に、日本の中でも、各都道府県の中には「第3セクター」という形で政府が出資した(100%出資という場合も多いです)民間会社が鉄道事業を運営しているところもあります。一方で、国営で鉄道事業を進めながら実は「黒字」という場合もあるかもしれません。

このようなときに、どの鉄道事業が「政府」で、どの鉄道事業が「非政府」と決めるのは実は容易ではありません。このように各国で制度、事情が異なるにもかかわらず、SNAでは、「この活動は政府」、「この活動は政府でない」と区分けをしなければいけませんので、そのための何かしらの基準が必要になってきます。

長くなってきましたので、続きは次回に。

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