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2013年9月11日 (水)

直接投資

前回の続きでして、直接投資について良く聞かれる、以下の3つについて考えてみようと思います。

 ①他国から日本への直接投資は、日本のGDPにどのように影響するのか。

 ②日本が他国に対して行う直接投資は、日本のGDPに影響を与えるのか。

  ③日本が他国に対して行う直接投資は、日本のGNIに影響を与えるのか。

まず①です。直接投資というのは、持ち分が10%を超える親会社(個人でも良いです)からの出資や貸付などです。これは、ただ単に、持っていた金融資産(恐らく金融資産でしょう。実物もあり得ますが、可能性は低いでしょう。)をどのように取引したかというものです。ですので、何かしらの生産活動には直につながってきません。

一方で、GDP(生産側)は、

 GDP = 生産 - 中間消費

ですから、金融資産をどのように取引したところで、それだけでは、生産にも中間消費にも影響はありませんから、GDPに対する影響はありません。またGDP(支出側)は、

 GDP = 最終消費支出 + 総資本形成 + 輸出 - 輸入

ですから、受け取った直接投資のお金を使って、設備投資を行えば、総資本形成が増えるように見えます。しかし、ここからが問題でして、その設備投資が輸入品(又はサービス)を使った設備投資であれば、同額だけ輸入が増えますので、結局GDPは変化しません。

一方で、国内生産(された財、サービス)を使った設備投資であれば、GDPは増えます。でも、その時は、恐らくGDP(生産側)で見ても、生産が同額だけ増えているはずですので、GDP(生産側)=GDP(支出側)は一致します。(もちろん、新たに生産された財ではなく、在庫品を使った場合は、在庫がその分減って、GDPは変わりません。)

というわけで、「直接投資は、そのお金を使って、(新規生産した国内生産品を使った設備投資などに)支出をすれば増える」ことになります。

続いて、②についてですが、これは①と同じで、

 GDP(生産側) = 生産 - 中間消費

 GDP(支出側) = 最終消費支出 + 総資本形成 + 輸出 - 輸入

のいずれも(通常は)変化しませんので、日本のGDPは変化しません。

但し、直接投資と同時に、そのお金を使って、日本の財により設備投資を行った場合は、生産側ではその分生産が増えるでしょうし、支出側では輸出が増えるでしょうから、その場合はGDPが増えることになります。

というわけで、①、②ともに「直接投資」と名前の付く金融資産の取引だけでは、GDPは変化しません。

本題ともいえる③については次回に。

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コメント

GDPという言葉は学校の先生が教える古くさい単語という印象しかないです。

マクロの専門家らしい先生のお話だと昔はお金→物→お金の流れだったらしいです。
個人的にグローバル化って厳密にはお金だけの話だと思ってるのですが、基本的に自分が
経済追う時代には完全にお金→お金の時代でした。
なので、あまり疑問も無く必要に追われて、あまりにすんなりGDPと言う単語を捨てました。

この記事を読んでも、やはりGDPと言う単語に未練はないなと言う印象ですが、GNIと言う
単語がどう評価されるのか凄く楽しみです。

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