雇用統計等
しばらく更新しておりませんでした間に、コメントをいただいておりました。
ご回答もしておらず、失礼しました。
大変勉強になりました。
国際比較という観点で、有益だと思われる書籍・論文等はご存知でしょうか。
CPIやGDPなどの比較一つとっても、結構国際比較は難しいです。日本がわかっても比較する海外のことは知らないことが多いですからね。。
全くご指摘の通りです。国際比較は難しいですよね。
例えば、national accountsだけで考えても、各国、作り方どころか、公表している項目が違うことすらあります。
例えば、良く比較されるアメリカを取ってみても、アメリカでは「Government Consumption Expenditures and Gross Investment」というくくりで、政府の「Consumption Expenditures(消費支出)」と「Gross Investment(総資本形成)」を公表しています。一方で、我が国の場合はご存知の通り、「政府最終消費支出」、「公的固定資本形成」及び「公的在庫品増加」というくくりで公表しています。この「公的固定資本形成」は、「一般政府固定資本形成」と「公的企業固定資本形成(含む公的住宅)」に分けられるのですが、QE段階では分割することができません。
というのも、日本の場合は、公的固定資本形成の推計に、QE段階では建設総合統計の「公的・居住以外」を使っており、公的企業も一般政府も同じ伸び率で延長しているのでこのような表章になっているのですが、アメリカの場合は、品目ごとに、実際のデータがある場合はそれを使って推計し、ない場合は「トレンド」で推計して、「Government Consumption Expenditures and Gross Investment」として公表しているようです。
というと、アメリカがちゃんとやっているように見えるのですが、実はnational accountsマニュアル上は、普通は「gross fixed capital formation(総固定資本形成)」として公表する方が普通ですから、これに関しては、アメリカの方が変な気がします。
そして、これらのことが分かる資料と言うと、どうしても当該国の推計担当機関が公表しているマニュアルということになります。比較対象として主要な国と考えられる、アメリカの場合は、BEA(Bureau of Economic Analysis)のHPに解説書が書いてあります。
http://www.bea.gov/methodologies/index.htm#national_meth
また、EUはEurostatがこのあたりのマニュアル(ESA)を出しており、各国ともこれに従って推計しています。(しかもご丁寧に、23カ国語で作っています。)もちろん、具体的にどの基礎統計を使っているかというのは、各国の推計機関のHPを調べないと行けないのですが。。。
http://eur-lex.europa.eu/LexUriServ/LexUriServ.do?uri=CELEX:32013R0549:EN:NOT
このあたりの主要どころであればまだ良いのですが、そうでない国の比較となると、推計解説書を自国語でしか出していない国も多く、(例えば、こんなヤツです。http://www.gks.ru/free_doc/new_site/vvp/met-regl.doc)なんだか知ったかぶりをして書いていますが、実は私自信お手上げ状態だったりします。。。
ですので、国際比較をしている時も、実際は少し範囲の異なるものを比較している不安がぬぐえません。国際機関のデータだと比較も簡単なのですが、恐らくまとめている国際機関も各国でどのようにして作っているかまでは分かっていないのだろうと思います。。。
というわけで、あまりお答えになっていないのですが、分析していて気になる場合に、個別にその国のマニュアルを読みながら検討していくという、非常に非効率な方法しか思い浮かびません。。。
本当に申し訳ありません。
続きのコメントについては、次回に。
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