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2013年2月22日 (金)

「現物社会給付等」と「現物社会移転」(3)

続きです。

 そうしますと、 現実最終消費=調整可処分所得(純)-貯蓄(純)の関係にありますので、そこからさらに固定資本減耗を除くということは、貯蓄(総)=貯蓄(純)+固定資本減耗ですから、計算上は「調整可処分所得(純)-貯蓄(総)」に相当する、という認識で宜しいのでしょうか?

の部分ですが、前述のとおり、私の考え方では、「個別的非市場財、サービスの移転」の部分は引く必要はないと思っていますので、少し違います。

この部分を引く必要がないと考える理由は、この部分は「コスト積み上げ」なのですから、「政府サービス生産のための支出」と考えてもおかしくないと思うからなのです。そのため、「調整可処分所得」などとは異なる話だと思います。

なお、私が前のコメントで書いたとおり「現物社会給付」よりも「社会給付」はより広い概念で、要は「現物」ではなく「現金」で政府が家計にあげるものなどが入ってくるわけでして、年金なんかが入ってきます。

社会負担及び社会給付(Social Contribution and Benefits

 社会給付とは、93SNAでは「病気・失業・退職・住宅・教育あるいは家 族の経済的境遇のような一定の出来事あるいは状況から生じるニーズに対する備えとなることを意図して家計に支払われる経常移転」と定義されている。わが国の93SNAにおいては、(1)老齢年金などの「現金による社会保障給付」、(2)適格退職年金などの「年金基金による社会給付」、(3)生活保護などの「社会扶助給付」、(4)退職一時金などの「無基金雇用者社会給付」、(5)医療保険給付及び介護保険給付からなる「現物社会移転」、の五つに分類している。

 社会負担とは、93SNAでは「社会給付が支払われることに備えて社会保険制度に対して行う現実または帰属の支払」と定義されている。我が国の 93SNAでは、(1)社会保障基金への負担金のうち雇主負担分である「雇主の強制的現実社会負担」、(2)雇用者負担分である「雇用者の強制的社会負担」、(3)年金基金への負担金のうち雇主負担分である「雇主の自発的現実社会負担」、(4)雇用者負担分である「雇用者の自発的社会負担」、(5)無基金制度への負担金である「帰属社会負担」、の五つに分類している。

政府最終消費支出ではこれが入ってこないというのが、私の突っ込みの2つ目です。(厳密には、退職金などの「無基金雇用者社会給付」を入れて良いのかという問題点がありますね。。。前に書いたときは、ここまで頭が回っていませんでしたが、改めて考えると、これは結構大きな問題かもしれません。ちなみに、前回書いた、IMFが主導して各国整備を進めさせている「政府財政統計(government fiscal statisticsGFS)」では、この部分は基本的に含めない形で計上することになっているようでして、その意味でも、やはりSNAとは違う概念なんだと思います。)

つづいて、もうひとつの質問についての私の考えです。

また、政府最終消費には生産・輸入品に課される税も含まれていますが、税は結局のところ政府の収入なので、それもコストからは除外するという考え方もあるように思われますが、その点はいかがでしょうか?

これも、考え方としては、有りだと思います。ご指摘のとおり、政府が払っている分も政府の収入ですから。

ただ、その場合は、税収から政府の支払い分を引かないと、整合性が取れないのではないかと思います。ですが、税収の分析は別のデーターから取ってきそうですよね。その場合は当該処理が面倒くさいし、かえって分かりにくくなるような気がします。

また、たとえ税金とはいえ、「政府がサービスのために支払っているお金」ということでは変わりは無いわけですから、入れておいてもいいかなという気がするのですが、いかがでしょうか???(政府と言っても、J-SNAでは一部の独立行政法人などが含まれるわけですから、その活動において、普通に税金を払うことはあってもおかしくは無いでしょうし。。。)

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コメント

丁寧な回答ありがとうございました。コメントを書いた時は「現物社会給付等」の「等」が「個別的非市場財・サービスの移転」に対応するのではないか、などと勝手に思い込んでおりましたが、実際に2011年度のデータを見ると、一般政府の機能別最終消費支出の「現物社会給付等」は38815.9なのに対し、現物所得の再分配勘定の2011年度の「現物社会給付」は38775.9なので、「等」の部分は僅か40ということになり、「個別的非市場財・サービスの移転」の17895.3とは額が全然違いますね。
また、税金について調整する場合、税収と比較するならばそちらも調整しなくてはならないというのも、言われてみれば確かにその通りということで承知いたしました。

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