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2012年7月20日 (金)

総供給と総需要

更新はしない予定だったのですが、「通りすがり的」にご質問をいただいてしまったので、「通りすがり的」にお答えさせていただければと。。。

ご質問は以下の通りです。

突然、「通りすがり的な質問」で恐縮です。

事後的に、

総供給=総需要、であり、

総需要=内需+外需、

であることは異論のない所だと思われます。

で、質問は、

外需=純輸出、つまり

外需=輸出 - 輸入、

と考えて良いのかどうかということです?

もしこの外需の定義が正しいとすると、

GDP = GDE = C + I + G + Ex - Im、となり、

総供給は GDP のみということになります。

僕の直感的なイメージでは、

総供給は GDP + Im 、なのですが、

この直感が思い込み的な誤りで、

公的な定義では、

総供給は GDP のみ、

ということでよいのでしょうか?

御返答頂ければ、幸いです。

よろしくお願いいたします。

では順番に。

事後的に、

総供給=総需要、であり、

総需要=内需+外需、

であることは異論のない所だと思われます。

総供給と総需要について、『何についての』総供給と総需要なのか明確にしておいた方が良いと思います。

推計の段階を追って考えた方が分かりやすいので、まず、「(国内)生産」をスタートにしましょう。

生産に輸入を加え、輸出を控除し、在庫品増加を控除したものが「国内総供給」になります。すなわち、

生産 + 輸入 - 輸出 - 在庫品増加 = 国内総供給

となります。この「国内総供給」は、「国内総需要」と一致します。「国内総需要」は、

国内総需要 = 最終消費支出 + 中間消費 + 総固定資本形成

ですから、両者が等しいということになると、

生産 + 輸入 - 輸出 - 在庫品増加

  = 最終消費支出 + 中間消費 + 総資本形成

となります。総需要=内需+外需というのは、総需要が何を意味しているのかによりますが、「国内総需要」であれば、外需は入ってきません。

続きです。

で、質問は、

外需=純輸出、つまり

外需=輸出 - 輸入、

と考えて良いのかどうかということです?

良いと思います。

もしこの外需の定義が正しいとすると、

GDP = GDE = C + I + G + Ex - Im、となり、

総供給は GDP のみということになります。

GDEという言い方は、誤解を招く概念ですので使わないようになっていますが、これをGDP(支出側)と読み替えて考えてみますね。

先ほどの式では、

生産 + 輸入 - 輸出 - 在庫品増加 = 国内総供給

 国内総需要 = 最終消費支出 + 中間消費 + 総資本形成

ですから、少し書き換えて、

 生産 - 中間消費

 = 最終消費支出 + 総資本形成 + 在庫品増加 + 輸出 - 輸入

となります。一国全体では中間消費と中間投入は等しいですから、これの左辺がGDP(生産側)、右辺がGDP(支出側)です。

GDEだと『国内総支出』になってしまい、国内における総需要に見えてしまいます。が、実際に意味しているのは「国内生産された付加価値に対する支出」ですから、総需要とは異なる概念です。

これでは、用語があまり適切とは言えませんので、12年基準改定からこの言い方はしていません。

僕の直感的なイメージでは、

総供給は GDP + Im 、なのですが、

この直感が思い込み的な誤りで、

公的な定義では、

総供給は GDP のみ、

ということでよいのでしょうか?

総供給をどう考えるかによるのですが、「国内総供給」と見るのであれば、中間消費を控除してしまってはいけませんし、逆に輸出は控除しなければいけません。「世界全体に対する総供給」と見るのならば、世界中の生産をもってこなければいけません。GDP+輸入では、「国内最終需要に対する供給」+「国内生産に対する海外の需要に対する供給」ということになりそうです。そのような意味で「総供給」と言っておられるのならば正しいですが、「国内総供給」などの意味で使っておられたら、それは違います。

ちなみに、

 国内最終需要 + 国内生産に対する海外の需要

  = 最終消費支出 + 総固定資本形成 + 在庫品増加 + 輸出

ですから、GDP-輸入そのままですよね。。。

というわけで通りすがり的なお答えでした。

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