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2012年3月25日 (日)

アクティビティー(2)

さて、前回は、部門分類と活動別の話をしましたが、これまでの話でよくお分かりいただけると思うのですが、当然のことながら、制度部門とアクティビティーは一対一で対応するとは限りません。つまり、ユニクロの販売部門、生産部門は、アクティビティーでは別に分割させるのですが、制度部門(正確には制度部門に含まれる制度単位)で見たら単一の単位です。

そして、公的格付けというのは前述のとおり制度部門です。というのは、最低限「B/Sを含む完結した勘定が作れる」という状況にないと、市場性の評価を下すことも難しいですし、ユニクロという会社を見ないと、政府に支配されているかどうかなどわかりません。。。

そう考えると、制度部門でみた、「民間と公的と政府」というものと、アクティビティーはそれぞれ入り組んだ関係になってきて、例えば、制度部門で民間に含まれるものが、アクティビティーでみて、農林水産業をやっていたり、建設業をやっていたりという形になります。

ここで少し話が脱線するのですが、閣議決定されている「公的統計の整備に関する基本的な計画」というものがあり、その中で、J-SNAJ-IOについて

○公的部門の分類について、総務省を始め関係府省等の協力を得て、93SNAの改定で示された判断基準に即して格付けを見直すとともに、統一化を図る。

と書かれているのですが、この文章は意外に深い意味なのではないかという気になってきます。どういうことかというと、格付けはあくまで制度部門でしかできませんから、『SNAは制度部門で格付けを見直しなさい』、そして、『その制度部門と整合が取れるように、アクティビティー単位に切り分けて、IOに反映しなさい』というようにも読めるわけです。

(もしここまで考えて、(そして、J-SNAJ-IOの担当者がここまで理解して)当該文章を書いていたとしたら素晴らしいのですが、必ずしも現状はそうではないように見えます。。。(笑))

さて、話を戻して、制度部門と活動別が入り組むことが前提とされている体系であるとして、その場合はいろいろな話が出てきます。

たとえば、「政府部門に分類されているけど、非市場財・サービス(防衛、治安維持など)の生産とともに、一部ホテル事業を行っている」というような組織があった場合は、制度部門では「一般政府」に含まれるものの、アクティビティーで見たときには、非市場生産である「政府サービス生産者」とホテル事業については「サービス業」に分類されるわけです。これ自体は非常に単純な話だと思います。

が、今のJ-SNAでは、政府部門、非営利部門の非市場生産がある部分については、この入り組んだ対応関係を認めておらず、すべて一対一となると仮定してしまっています。これは、推計担当者の立場からしても非常に困ったことなのですが、それは前述の議論を見る限り、どう考えてもおかしな話ですよね。

さらに、93SNAマニュアルを見ると、生産活動については、この「制度部門」と「アクティビティー」のクロス」での勘定を作ることが望ましいと書かれていまして、やっぱり、両者が入り組んでくることを前提としているようにしか思えません。

一足とびに、このクロス表を作れというのは難しいにしても、SNA及びIOという体系が、このような考えのもとに作られているんだ、ということ自体が(推計担当者自身にも)理解されていないように思います。J-SNAJ-IOは、なんだか、93SNA導入の時に完全に国際潮流から取り残されているような気がします。

とはいえ、93SNAマニュアルが完ぺきというわけでもなく、いろいろ疑問もあるのですが、それについてはまた次回に。

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