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2012年1月17日 (火)

専門家

先週末に、いろいろな方と意見交換を行い、いい刺激をいただきましたのでその話を少し。

まずは、いろいろと最近話題になっている季節調整について、時系列分析の専門の先生方に意見を伺う機会をいただきましたので、いろいろと話を伺ってきました。

内容については、別途書く機会があれば触れることもあるかと思いますが、それ以上に印象に残ったのが、これだけ高名な先生方が「公的統計の改善のために役に立ちたいと思っているので、力になれることがあれば言ってほしい」というように言ってくださったということです。

やはり、分析や政策立案の基礎となる公的統計について、質の向上が必要という気持ちはみなさん持っておられて、そのために専門的な知見を拝借させていただけるというのは、非常にありがたいですし、逆にそれだけの期待を集めるだけの統計を担当しているのだというプレッシャーも改めて感じました。それにこたえられるだけのアウトプットをこれからも出していかないといけないと、切に思いました。

そして、もう一つは、これは民間のエコノミストの方から質問があり、それについてお答えしているときに話がそれて、雑残交じりに話したことだったのですが、その方は、特に財政関係の日本の公的統計の少なさを嘆いており、一国全体の収支を把握できるようなデータを出していないのがおかしいとおっしゃっていました。そして、全体を把握している統計としてSNAをもっと深く調べて、客観的なデータを出せれば非常に意義があるのではないかと思って、分析しているともおっしゃいました。

この点については、私もまったく同感で、以前からこのブログでもSNAは『宝の山』だ、と言ってきました。ですので、エコノミスト、大学の先生皆さんで、是非こういった分析をしていただくのは、この国のためにも素晴らしいことだと思っております。

が、引き続き言われたことが、「用語など専門的すぎて、一般の人には分からない」ということでした。これについては、私も持論があり、「SNAは各国が同じ基準や用語で統一して推計し、公表しているという点の有用性があり、用語や計上方法がある程度複雑になっても良い。」と思っています。ただし、その専門的で分かりにくいSNAと経済を分析する人や一般の人たちの間をつなぐ、「SNAの専門家」という人が存在するべきだと思っています。

ただ、SNAというニッチながらマニアックな分野については、大学や民間企業だけで専門家が自然に生まれるとも思わないのです。そのため、SNAの推計担当に、経済の専門家やアカデミックなところから若いうちに来て、実際に推計を行い、その知見を持って、経済分析の分野に再び出ていく、というような人がもっと増え、SNAの中身と実際の経済分析を橋渡しできるような人が、ある程度は生まれなければいけないと思うのです。

専門家が圧倒的に少ない日本のSNAの分野では、今からでも遅くないので「SNAの専門家」グループを作る必要があるのではないでしょうか?

こういった雑談をしていたところ、質問をいただいたエコノミストの方も、意見に賛同してくれました。そして、「その橋渡しが自分たちの仕事だと思うが、あまりに人員が少なすぎて手が回らない現状もある」と実情も教えていただきました。

こういったことを伺うにつけ、やはり、SNAの推計担当部局において、もっと多くの部門から推計担当者を集めてくることで、SNAの専門家を育成するような形にしないといけないし、むしろ、それは政府としてやらなければいけない重要な仕事なのではないか、と思う次第です。

というわけで、意見交換を受けていろいろ思ったことでした。。。

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