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2011年12月 2日 (金)

現実消費と消費支出(3)

雇用者報酬 + 中間投入 + 生産・輸入品に課される税 + 固定資本減耗

の続きです。上記の項目は「政府の生産額」であることまで前回書きました。なぜ、政府最終消費支出に「政府の生産額」が出てくるかと言いますと、「生産されたものは、誰かが使っている(消費支出)はず」という考え方が背景にあります。

政府以外の部門でみると、たとえばトヨタが日本国内で生産した車は、家計の消費支出という形か、海外への輸出という形か、それとも企業の営業車等という形で固定資本形成かわかりませんが、いずれかの形で「使われて」います。

では、政府が生み出した産出(警察とか、立法措置とか、市役所での書類登録などを考えてみてください)についても、誰かが使っていなければいけません。ただ、この警察とか立法措置とかって、誰が使っているのでしょうか???

家計というわけにもいかないし、企業が全部使っているわけでもありません。そもそも、税金として受け取ったお金をもとにこれらのサービスを生み出しているわけで、「誰が払っている」という関係性すらよく分かりません。

そこで、SNA体系上は、「政府が生み出した生産のうち明確に対価が支払われていない部分については、『政府が自己消費』しているものと擬制する」ということになっています。これが「政府最終消費支出」のうち、

雇用者報酬 + 中間投入 + 生産・輸入品に課される税+ 固定資本減耗

になります。

こうやって考えると、前回、『政府の営業余剰は常にゼロ』といった理由が分かってきます。というのは、通常の財(前回も出てきたトヨタの車など)では、産出額は「いくらで売れたか」という市場評価ができますが、政府の場合は、「いくらで売れたか」という評価ができませんから、(仕方なく)コスト積み上げ、つまり「その生産のためにいくらかかったのか」という観点で評価せざるを得ません。

そこで、実際にかかった

雇用者報酬 + 中間投入 + 生産・輸入品に課される税+ 固定資本減耗

で評価しているわけです。ところが、営業余剰とは、概念上、

 営業余剰 = 生産額 -(雇用者報酬 + 中間投入

 + 生産・輸入品に課される税+ 固定資本減耗)

です。ですから、政府の場合は、右辺の生産額とカッコ内が常に等しいわけですから、『営業余剰は常にゼロ』となるわけです。

 政府最終消費支出 = 雇用者報酬 + 中間投入 + 生産・輸入品に課される税

          + 固定資本減耗 - 商品・非商品販売 + 現物社会給付

のうち、右辺の4つ目の項目までの説明までようやく終わりました。あとの2つと、本題の消費支出と現実消費の違いについては、まだまだ続きます。

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