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2011年12月25日 (日)

17年基準改定(支出系列)(3)

続いて、今回の基準改定を機に、新たに追加した概念についてです。

まずはFISIMなのですが、これは、正式名称は「間接的に計測される金融仲介サービス」と言いまして、その名の通り、金融仲介サービスを何とかしてSNAでも計上しようという試みから出ている概念です。

何をしようとしているかというと、これは、金融業の生み出しているサービスとは、具体的に「どれくらいの額なのか?」という疑問が根本にあるわけです。例えば、私が銀行に口座を持っていて、そこからお金を引出したり、逆に預けたりします。この時、私が銀行に払っているお金というと、たとえば時間外に引き出した時の手数料くらいです。では、銀行が生み出しているサービスは、その手数料だけで計測してしまってよいかというと、そんなことは無いわけです。

銀行は、私の預けている預金を、他の企業に貸し付けるなどし運用し、利息等を取っているのですが、この活動そのものも、サービスそのものです。こういったサービスを金融仲介サービスというのですが、この金融仲介サービスがいくらかというのを計測する手段がなかなかありません。

そこで、SNAでは、ざっくりいうと、「金融機関は、相対的に安い金利でお金を集めて、相対的に高い金利でお金を貸して利益を上げているのだから、運用利子率(貸出等の利子率)と調達利子率(預金等の利子率)の差額分を、金融仲介サービスの生産額であるとしましょう」ということなのです。

具体的な計算方法は公表資料を見ていただければと思いますが、こういった概念をJ-SNAでも導入したということになります。

http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/sokuhou/gaiyou/sakusei17/kijun_kaitei17.pdf

ただ、導入したというのも少し誤りで、12年基準でも、金融機関の生産額は、FISIMではなく、帰属利子という形で「生産」はされていました。ただ、今までは、それをすべて仮設部門の「中間消費」にしていたので、付加価値(GDP)への影響は出てきませんでした。

それが17年基準では、それを家計とかが最終消費支出するという形にしておりますので、GDPにも影響が出てきます。具体的には、FISIMのうち、最終消費(家計最終消費支出、純輸出、政府・非営利の中間消費)に影響が出てくる分だけ、GDPが増えることになります。

今回、FISIMを導入というのは、そういう意味で『導入』と言っているわけです。

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