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2011年12月27日 (火)

17年基準改定(支出系列)(4)

それ以外の新概念等です。

まずはインハウス・ソフトウェアになります。

93SNAでは、受注型のソフトウェアに加えて、自社開発(インハウス)のソフトウェアも固定資本形成にするとされているのですが、J-SNAではこの部分についてはまだ導入していませんでした。それを今回の基準改定から反映しています。

具体的には、会社で自分でSEさんを雇って、自分でプログラムを組んで、自社専用のソフトとか作ったりしますけど、それをきちんと「固定資本」として計上しましょうということです。

では、12年基準ではどうだったかというと、それはSEさんがただ単に働いているだけで、「何も生み出していなかった」という整理になります。ですので、17年基準改定では、インハウス・ソフトウェアの分だけ生産及び付加価値(=GDP)が増えることとなります。

後は、固定資本減耗と育成資産です。

固定資本減耗は、上記でも出てきた「固定資本」が時とともに徐々に擦り減っていくということを表している、会計でいう「減価償却」のようなものです。ただ、SNAでは、「固定資本減耗」は「減価償却」とは異なり、買った時点の資産価値ではなく、現時点の資産価値をもととして、擦り減っている額を計算することになります。というのは、SNAでは「固定資本減耗」というものは、『生産のための費用』であるからなのです。

何を言っているかというと、SNAとはもともとスタートは、一国全体で何を投入して何を生産しているのか、という生産勘定がスタートにあるわけです。その生産のための投入要素として「固定資本減耗」があるわけですから、その減耗は、当然、「生産が行われた時点の価値」で計算するべきということになります。

12年基準改定では、この固定資本減耗を「生産が行われた時点の価値」(すなわち『時価』ということ)で計算するというのは、一部(具体的には道路やダムなどの社会資本の減耗)だけしか取り入れておりませんでしたが、17年基準ではこれを全面的に導入しました。

なお、固定資本減耗が支出系列(GDP)などに影響してくるのは、コスト積み上げで計算している政府と非営利だけなのですが、これについては、12年基準と比較して、17年基準では足元(直近年)の方がずいぶん小さくなっています。これは、固定資本減耗の計算方法を、定額法から定率法に変更したことが効いていて、支出系列に限って言えば、『時価』ということの影響は小さかったような気がします。

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