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2011年11月12日 (土)

在庫

前にも一度書いたことがあるのですが、素朴な質問としてよく聞かれるのが、

 なぜ、在庫が増えると、GDPが増えるのか?

という質問です。

これは、GDPを支出側からだけ見ようとするから起こる疑問でして、生産側から見たらよく分かるのに、といつも思っています。

というわけで、今までちゃんと解説していなかったような気がしますので、まとめて書いてみようと思います。

まず、GDPの定義です。GDPとは、国内(domestinc)(gross)生産(products)です。用語を見るだけでも、「生産」であることはお分かりいただけると思います。が、一応定義をすると、

 GDP =(国内の)生産 - (国内の)中間投入

です。つまり、一国全体で生み出されたもののうち、中間投入した部分を引いたものです。ですから、別の名前で言うと「付加価値」と言います。

ここには在庫も家計消費も何も出てきません。というのは、これは生産側のGDPの定義ですから、あくまで生産の項目しか出てきません。

では、支出側のGDPとはどういうことかということを考えてみましょう。考え方を少し変えて、生産されたものの使い先についてみてみます。生産されたものは、何かしらに使われているはずです。つまり、

(国内の)生産 + (国内への)輸入

      = (国内の)最終消費支出 + (国内の)総固定資本形成

        + (国内の)中間消費 + 在庫品増加 + (海外への)輸出

となります。国内での消費や総固定資本形成には、海外で生産されたものを輸入したものも含まれるので、上記のようになります。

ここで、一国全体で見ると、

 (国内の)中間消費 = (国内の)中間投入

ですから、

 

(国内の)生産 -(国内の)中間消費

      = (国内の)最終消費支出 + (国内の)総固定資本形成

         + 在庫品増加 + (海外への)輸出 -(国内への)輸入

すなわち、

 GDP = (国内の)最終消費支出 + (国内の)総固定資本形成

         + 在庫品増加 + (海外への)輸出 -(国内への)輸入

となります。これが支出側のGDPです。

この支出側のGDPには、在庫品増加が出てきます。つまり、在庫品増加が増えるとGDPが増えるということになります。

これをどのように考えれば良いかというと、私の中では、

 ①GDPは結局のところどれだけ生産したかである

 ②消費も増えていて、在庫も増えているなら、きっと生産が増えているはずだ

 ③だから、在庫品増加はGDP増やすことになる

というように考えることとしています。

というわけで、いつも言っていることですが、日本ではGDPを支出側から考えすぎるということの一番いい例なのではないかと思っている項目でした。

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