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2011年11月 7日 (月)

アメリカのIIPの季節調整(2)

前回は、アメリカの鉱工業指数の季節調整について、公表資料とその内容について思うことを書きまして。そして、ここまで見てきて、私の印象に一番残ったことは、実は季節調整とはまったく別のことで、

 ○IIPって、アメリカではFRB(日本で言うと日銀)が作っている!

 ○FRBって、季節調整の方法はX-12自動設定でやっている!

 ○アメリカって、ユーザーに対する情報提供が少ない!

ということでした(笑)

一番初めの点は置いておいて、改めて考えてみると疑問に思うことは、『自動設定があるのに、なぜ、日本はあえてモデルを選定して、しかもそれをわざわざ公表しているんだろう』、ということと、『リーマンショックに対応して季節調整方法を変更したとして、あまり細かいモデルだとかダミーだとかの設定などの実務的な細かい話を、わざわざHPに公表するのでなく、これくらいの概略が公表されていれば十分なんじゃないか』ということです。(そんな細かい話は、公表されても困るでしょうし、知りたい人は個別に聞くでしょうし。。。)

日本の季節調整の手法の公表が細かいのは、私の感覚では、X12を導入するときに、いろんなところから嫌悪感があったようで、どうも統計審議会でもいろいろと議論があり、このような指針が出ているからではないかと思うのです。

http://www.stat.go.jp/index/seido/7-1.htm

この指針で、「季節調整法を適用する際の推計に使用するデータ期間、オプション等の選定に当たっては、それぞれの系列に対して統計作成機関において適切と考えられ、客観性が保たれる基準を採用し、継続的に使用する。」とされていて、この時点で自動設定の利用は事実上排除されているみたいです(笑)

また、「統計作成機関は、季節調整法に関する情報について、別途定める様式に従い、統計基準部に提出することとする。」と書かれていて、その様式の中にARIMAモデルについても記入する欄があるのです。記入していない統計もあるのですが、一方で記入している統計もあり、それに当初から記入してきた統計は淡々と10年以上同じことを繰り返してきたということなのではないかと(笑)

X12導入の時の反応も、ややヒステリックに感じますが(笑)、もう10年以上たっている状況なんですから、そろそろ自動設定を使うことにしても良いじゃないかという感じがするのですが。。。(まず、自分からやれと言われそうですが(笑))

そもそも、X12導入の時のARIMAモデルの話も、おそらく「再現性が無くなる!!」という意見だったのでしょうけど、「自動設定です」というのが一番再現性が高いのではないかとってしまうんですが(笑)(バージョンを合わせる必要がありそうですが、それも公表してますし(笑))

それに、アメリカでも再現性なんてまったく無い訳で、これで通用しているアメリカを見ていると、ずいぶん日本と違うんだなぁとも思います。

というわけで、後半はやや感想めいたことになってしまいましたが、アメリカのIIPの季節調整についてでした。

※今回の話は、国民経済計算部のN政策調査員にからいろいろご教示いただき、私はそのお知恵をお借りして書かせていただきました。この場を借りて、N政策調査員にお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。

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