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2011年10月24日 (月)

CPI基準改定の影響試算

マニアックな話を少し。

QEの推計では、実質化のためのデフレーターの基礎統計としてCPIを使っています。ご存知のとおり、今年の8月にCPI22年基準改定を行い、その影響でCPIの総合が大きな下方改定となりました。

CPIは月単位の統計ですが、6月単月でみると、総合指数で12年基準では前年同期比0.4%だったものが、17年基準で▲0.2%に下方改定となっています。▲0.6%ですから結構な下方改定でした。

ですので、このCPIを使っているQEの家計消費支出デフレーターやその上位項目であるGDPデフレーターでも同じような下方改定の影響が出るのではないかと思われているようでして、実際にどのような影響がでるか、4-6月期の2QEの数字を使って影響度を試算してみました。

結果は

http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/sokuhou/gaiyou/sakusei/siryou/__icsFiles/afieldfile/2011/10/20/announce20111024_2.pdf

のとおりなのですが、前期比、前年比ともにほとんど変わりませんでした。(家計消費デフレーターの前年同期比だけわずか(0.1%未満)に上方改定)

何でこんなに違うのかということはアナウンス紙にも書いてあるのですが、CPIQEでの指数の作り方に違いがあるからです。もっと具体的に言うと、CPIがラスパイレス方式、QEがパーシェ方式というのは仕方ないとして、CPIは固定基準方式、QEは連鎖方式(基準年を毎年切り替える方式)を採用しており、これが大きな相違であるようです。

物価指数については指数の統合の方式によりバイアスが出ることが知られており、パーシェ効果というのですが、ラスパイレス方式では上方バイアスが、パーシェ方式では下方バイアスがあることが知られています。そして、連鎖方式を採用することでこのパーシェ効果が相当程度抑えられることが知られています。

総務省統計局の方で、このパーシェ効果の大きさについての試算(パーシェチェック)をしているのですが、この幅が、17年基準、22年基準と徐々に拡大していることが見て取れるのです。

http://www.stat.go.jp/data/cpi/2010/pdf/p-check.pdf

特に22年基準のパーシェチェックは相当大きいですから、CPI22年基準改定による下方改定の要因は、パーシェ効果が主な原因であったと思われるのです。

一方で、連鎖を採用しているQEでは、これらのパーシェ効果は影響しませんから、ただ単に、個別品目レベルの指数がどのように動いたかが影響してきます。こちらの影響はパーシェ効果ほど大きくなかったようで、その結果QEの家計最終消費支出デフレーターはほとんど変わりませんでした。

とはいっても、個別の品目ではいろいろ動きがありましたので、それについてはまた次回に。

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