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2011年8月 7日 (日)

アメリカの制度部門(2)

いろいろと調べてみたところ(私が調べたというより、調べてもらったのですが)、BEAのハンドブックでは「Government consumption expenditures and gross investment」については、以下のように書いてありました。

Government gross investment. Expenditures consisting of government purchases of structures, equipment, and own-account production of structures and software. It includes investment expenditures by both general government agencies and government enterprises.

これを見ると、Government gross investment」については、一般政府と「government enterprises」の設備投資が含まれることになります。

そして、「government enterprises」の定義としては、ハンドブックでは以下のように書いてあります。

Government enterprises: This legal form consists of government agencies that cover a substantial proportion of their operating costs by selling goods and services to the public and that maintain their own separate accounts. For example, the U.S. Postal Service is a federal government enterprise and public water and sewage agencies are local government enterprises.

これを見ると、政府のうち、自らのコストを賄うための財やサービスを販売している部分を、勘定を切り分けて、企業のように計上しているようです。そして、その例示として、連邦の郵便サービスや、水道などが含まれるようです。それなら、この「government enterprises」が公的企業かというと、必ずしもそうとは言えないようなのです。

というのは、同じくBEAの用語解説集では、

Business sector. All corporate and noncorporate private entities organized for profit and certain other entities that are treated as businesses in the national income and product accounts (NIPAs), including mutual financial institutions, private noninsured pension funds, cooperatives, nonprofit organizations that primarily serve businesses, Federal Reserve banks, federally sponsored credit agencies, and government enterprises. Related terms: general government sector, households and institutions sector.

となっています。つまり、Business sector(「産業」という感じでしょうか?)には、相互銀行?や民間非営利なんかも含まれるようなのですが、注目すべきは、「FRB」(中央銀行)が特だしされているというところです。

SNAマニュアルでは、中央銀行は「公的金融機関」に格付けされることになっています。産業には当然公的企業も含まれますから、これ自体が問題なのではなく、上記の文章では、「FRB」と「government enterprises」が分かれており、「government enterprises」には「FRB」が含まれていないことは明らかです。つまり、「government enterprises」が公的企業とは言えないわけです。

不思議に思い、支出系列以外のアメリカの「by sector」という勘定表(部門分類別ということ)を見てみました。すると、資本移転(Capital Transfers)のところでは、

By private business

By government

By persons

・・・

純貸出(+)/純借入(‐)(いわゆるISバランス)のところでは、

Private

Government

部門別の付加価値のところでは、

Business

Households and institutions

General government

・・・

となっており、一定しておりません。まあ、移転、ISバランスと付加価値では、異なる分類というのもある程度はわかるのですが、なんとなく一定していない上に、sub-sectorである、公的、民間の区別もしていないようで、SNAマニュアルに従っているようにも見えません。

アメリカの場合は、NIPAという自分のルールで突っ走っているところがあり、必ずしもSNAにしっかり合わせているわけでもないのかなと思いました。

というわけで、各国とも、必ずしも統一的な表章になっているわけでもないのかなという気づきでした。

※実は、BEAHPは一部記述が切れていたりしたので、N政策調査員に、わざわざBEAに聞いていただきました。本当にご協力ありがとうございました。

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