所得支出勘定~資本調達勘定(3)
「所得の第2次分配勘定」は、前回までに書きました「第1次所得バランス」(すなわち、一国全体でみるとGDI)から、
①社会保障など、社会負担の給付と負担
②所得税などの、主に『直接税』とよく言われる方の税
(生産・輸入品に課される税は、昔は『間接税』と言われていました)
③それ以外の経常移転
を調整したものです。
これらも、実際に使えるお金に影響してきますから、この勘定で調整しているわけです。
そして、こうして調整したバランス項目が、よく知られている「可処分所得」になります。
あとはもうお分かりかと思うのですが、可処分所得から最終消費支出を引いた残りが貯蓄です。
ここまでの調整が、「所得の第2次分配勘定」です。
そして、ここから先は「資本調達勘定」になるのですが、貯蓄と総固定資本形成の差額が有名なISバランス(SNAでは「純貸出(+)/純借入(‐)」)になります。
※一点だけ注意してほしいのは、SNAでは可処分所得を求める段階でそれ以外の「経常移転」を調整していました。同じように、「純貸出(+)/純借入(‐)」を求める段階では、「資本移転」を調整します。これは、可処分所得の際の「経常移転」と同じく、実際に総固定資本形成を行うための富の源泉がある人のところに計上するべき、という考えからそうなっているのだと思います。
というわけで、一応、GDPから「純貸出(+)/純借入(‐)」までの流れでした。
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