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2011年7月10日 (日)

所得支出勘定~資本調達勘定(2)

一国全体で生み出された付加価値(GDP)について、配分をした結果、「可処分所得」が出てきます。この過程が、所得支出勘定のうち「第1次所得の配分勘定」と「所得の第2次分配勘定」です。

「第1次所得の配分勘定」というところは、生み出された付加価値(GDP)について、利子や配当などの「財産所得」の受け取り及び支払いを調整するところです。つまり、生み出された付加価値から、たとえば金融機関であれば貸していたお金の金利を得るでしょうし、株主は配当を受け取るでしょう。これらのお金も、ものを買うのには使われますから、当然、可処分所得への配分過程では追加されることになります。

ただ、一国全体では、この財産所得の受け取りと支払いは一致しそうですが、海外との間でのやり取りが当然存在します。金利も配当も、今は、海外から得たり、海外の投資家に対する支払いなども増えています。ですので、この分だけ、GDPと数字が異なります。

 ※正確には、GDPの分配側で見たときの要素の一つである「雇用者報酬」についても、海外との間でやり取りがあります。この「第1次所得の配分勘定」における「雇用者報酬」は、(受取)となっている点に注意が必要です。一方で、「国内総生産勘定(支出側)」に出てくる雇用者報酬は(支払)です。つまり、「第1次所得の配分勘定」においては、海外との間の雇用者報酬の『純受取』分だけ多くなる(マイナスならば少なくなる)わけです。

「第1次所得の配分勘定」については、付加価値(GDP)を配分している勘定なのですが、いまいちGDPとの関連がわかりにくくなっています。というのは、この部分のバランス項目が「第1次所得バランス」となっていて、GDPとの関連がわかりにくいからです。

第1次所得バランスについては、以前その関係について書き、更に、訂正記事も書いているのですが、『一国全体でみると』GDPに海外との財産所得の受け取り、支払いと、海外との雇用者報酬の受け取り、支払いを調整したものです。ですので、『一国全体でみると』「国民総所得(GNI)」とよばれているものと一致します。

http://taro-sna.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/post-70eb.html

http://taro-sna.cocolog-nifty.com/blog/2011/06/1-843b.html

 ※QEで公表している「国民総所得」と数字が微妙にずれるのは、支出側と生産側の微妙なずれである「統計上の不突合」が存在するためですが、これもまたマニアックなので、あまりに気にしないでください。

なお、「第1次所得バランス」は、制度部門別にみると当然異なってきます。つまり、家計であれば「雇用者報酬」という形で配分されているでしょうし、企業であれば「営業余剰」という形で、政府であれば「生産・輸入品に課される税」という形で配分されています。ですが、これを一国全体でみると、付加価値(GDP)と一致してきます。GDPの分配側というと、私などはこちらの方がしっくりくるのですが、これって、まさしく、

 GDP =  雇用者報酬 + 営業余剰・混合所得 + 固定資本減耗

     + 生産・輸入品に課される税 - 補助金 

ということですよね。

というわけで、まとめると、「第1次所得の配分勘定」では、上記の制度部門間への付加価値の配分とともに、「財産所得」の調整を行う勘定、ということになります。

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