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2011年7月31日 (日)

現物移転と帰属支出(2)

念のため、現金移転について補足を。

前回、現金移転については、ただ単に「経常移転」を立ててあげればよいだけで、一方で、現物移転については「帰属支出」を立てる必要がある、と書きました。しかし、厳密には、この現金移転の部分の記述は間違いです。

というのは、現金移転の場合は、その裏で「現金の増減」が発生しているので、実は、それに対応する資産の増減をちゃんと記録しているわけです。一方で、現物移転の場合は、その資産の増減に対応して、消費支出を帰属計算しているという整理なのです。

分かりにくいと思うので、勘定で見てみましょう。とりあえずその服は1000円だとします。

所得支出勘定【使用勘定を含む】(ユニクロ)

(受取)

           0

(支払)

経常移転(支払) 1000

貯蓄      △1000

資本調達勘定(実物)(ユニクロ)

(資産の変動)

純貸出(+)/純借入(-) △1000

(負債・正味資産の変動)

貯蓄           △1000

所得支出勘定【使用勘定を含む】(私)

(受取)

経常移転(受取) 1000

(支払)

現実最終消費支出 1000

貯蓄         0

となります。

一方で、現金移転の場合、同じくユニクロから私が1000円もらったとします。

所得支出勘定【使用勘定を含む】(ユニクロ)

(受取)

           0

(支払)

経常移転(支払) 1000

貯蓄      △1000

資本調達勘定(現物)(ユニクロ)

(資産の変動)

純貸出(+)/純借入(-) △1000

(負債・正味資産の変動)

貯蓄           △1000

資本調達勘定(現金)(ユニクロ)

(資産の変動)

現金・預金              △1000

(負債・正味資産の変動)

純貸出(+)/純借入(-)(資金過不足) △1000

所得支出勘定【使用勘定を含む】(私)

(受取)

経常移転(受取) 1000

(支払)

貯蓄       1000

資本調達勘定(現物)(私)

(資産の変動)

純貸出(+)/純借入(-) 1000

(負債・正味資産の変動)

貯蓄           1000

資本調達勘定(現金)(私)

(資産の変動)

現金・預金               1000

(負債・正味資産の変動)

純貸出(+)/純借入(-)(資金過不足)  1000

となりまして、実は、裏で現金のやり取りが計上されているのです。ただ、現金のやり取りについては、GDPの最終需要には影響してこないため、「ただ単に「経常移転」を立ててあげればよい」という感じで意識をしていないのだと思います。

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