« system of accounts | トップページ | 生産側・・・ »

2011年6月22日 (水)

system of accounts(2)

前回の続きです。

こうしてためた「貯蓄」を、形の残る「資産」等の購入などに充てます。ここでいう「資産」等については、有形無形の資産、在庫品、土地、資本移転などのやり取りが行われます。貯蓄から、これらの「資産」等の購入に充てた残りが「純貸出(+)/純借入(‐)」(昔の「ISバランス」)になります。これは「7.資本勘定」になります。

 ※ この資産勘定については、完全に、建物などの「実物」のやり取りになります。これらの「実物」は形が残るため、「所得の使用勘定」で記録されます。

   一方で、形が残る資産としては「金融資産」があります。これらの金融資産は、実物のやり取りの対価等として取引されることが多いはずです。つまり、家計が住宅を購入したら、家計には「住宅」という実物の有形資産が残り、一方で、同じ価値だけの現金や預金などの「金融資産」が減るはずです。

   こういった、金融資産を計上するのが、「8.金融勘定」です。そして、実物と金融では、今の例の通り、同じ取引を、裏と表から見ているようなものですから、実物勘定と金融勘定ではまったく反対の結果が出ます。どういうことかというと、金融資産のやり取りを記録した後の調整項目は「純貸出(+)/純借入(‐)(資金過不足)」というのですが、(概念上は)「純貸出(+)/純借入(‐)」と「純貸出(+)/純借入(‐)(資金過不足)」は、符号が逆になるだけで、同じ値になります。

なお、こうして出てきた「純貸出(+)/純借入(‐)」がプラスだと、資産としてストック勘定に積み上がり、マイナスだとストック勘定から資産を取り崩すこととなります。

こうして積み重なったストック勘定ですが、取引によらないで、これらの資産が増えたり減ったりすることがあります。たとえば、事故などで滅失してしまったり、逆に、過去なくしたと思っていたものが増えてきたり、また一方で、当該資産の価値が上がったり下がったりすることもあるわけです。(金融資産は当然ながら、実物資産でも、土地の価値などはいつでも増減します。建物でも、鉄筋などの素材価格が上がれば価値は上昇します。)

こういったものを計上しているのが、「9.調整勘定」になります。

これらをすべて踏まえた上で、蓄積された「資産」、「負債」の残高を計上しているのが、「10・貸借対照表」になるわけです。

ということで、長くなりましたが、生産からストックまで、一連の流れを見てみました。

こうしてみると、SNAという『勘定体系』の中では、GDPというのは、冒頭の一部分にすぎないということがお分かりいただけたのではないかと思います。

« system of accounts | トップページ | 生産側・・・ »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

資本調達勘定について質問があります。

資本調達勘定は、フロー編は国内金融取引を相殺して計上しているのに対し、ストック編は期末貸借対照表に合わせて国内金融取引を相殺せず、金融資産・負債の変動分を計上していると思うのですが、資本調達勘定は基本的には取引時点の取得価格で計上されているのにも関わらず、どうして変動分のみ統合勘定で計上することができるのですか?

資産負債の期首残高と期末残高の変動分が資本調達勘定と調整勘定に計上されていることは、理解できるのですが、もし取得価格で資産負債にそれぞれ計上してしまった場合、取引時点の取得価格は、購入価格+変動分となり、期末貸借対照表に加算した時に2重勘定になってしまうような気がします。
土地購入(純)は購入額-売却額なので変動分が明らかなのはわかりますが、株式等の金融資産はSNAの概念上、どのように計上しているのか、教えていただきたいです。

よろしくお願いします。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/559179/52008878

この記事へのトラックバック一覧です: system of accounts(2):

» 【緊急提言】消費税を廃止して高齢富裕層の金融資産に課税せよ! [【緊急提言】消費税を廃止して高齢富裕層の金融資産に課税せよ!]
現在、日本人の個人金融資産の半分以上を、60歳以上の引退世代が保有しています。彼らは平均して年金の3割を貯蓄し、平均3500万円も残して死亡します。相続人も、平均して60代です。すなわち、日本社会の富はいつまでも引退世代の間をグルグル滞留していて、現役世代にはいっこうに回ってこないのです。高齢世帯は平均して金融資産だけで2000万円、現物資産を含めると6000万円... [続きを読む]

« system of accounts | トップページ | 生産側・・・ »

無料ブログはココログ
2016年8月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31