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2011年6月 6日 (月)

訂正(第1次所得バランス)

以前、GNIについて書いた時に、第1次所得バランスについても触れました。

http://taro-sna.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/post-70eb.html

その時に、このように書いていました。

「第1次所得バランス(総)」とは、所得支出勘定のなかの「第1次所得の配分勘定」のバランス項目なのですが、この言い方も分かりにくいです。ですので、できるだけわかりやすく言ってみます。分配面からみた付加価値は、

 

  雇用者報酬 + 生・輸税 + 固定資本減耗 + 営業余剰

です。念のため言うと、生産面から見た付加価値の合計がGDPです。

「第1次所得バランス(総)」は、この付加価値に「財産所得」の受取を加え、「財産所得」の支払を引いたものです。

これは間違いでは決してないのですが、少し分かりにくい表現だったなと、最近気づきましたので、少し訂正を。(訂正というより、「補足」に近いかもしれません。)

分配面からみた付加価値は、前述のとおり、

  雇用者報酬 + 生・輸税 + 固定資本減耗 + 営業余剰

です。分配という言葉からわかる通り、こうやって生み出された付加価値を、それぞれの制度単位に分けるわけです。制度単位というのは、私とか、以前も出たヤマダ電機とかそういう単位ですので、それぞれで分けても細かすぎるので、実際は、いくつかの部門にくくります。それが部門分類というやつで「非金融法人」、「金融機関」、「一般政府」、「家計」、「対家計民間非営利団体」の5つの部門に分かれています。

ここで、この5つの部門について、上記の分配面の付加価値を配分してみましょう。すぐお分かりいただけるとおり、「雇用者報酬」というものは、どう考えても「家計」にしか配分されません。同じように、「生・輸税」というものは、「一般政府」に配分されます。「営業余剰」というのは、企業の利益ですから、「非金融法人」、「金融機関」に配分されます。「固定資本減耗」は一応、全部門に配分されます。

こうして考えてみると、5部門それぞれの分配面の付加価値が、

  雇用者報酬 + 生・輸税 + 固定資本減耗 + 営業余剰

です。と言っているようにもみえ、非常に誤解を招く表現だったと思います。ですので、実際に第1次所得バランスを部門ごとにみると、実は、「雇用者報酬」に対して「財産所得」の受取と支払を調整したもの(家計)や、「営業余剰」に対して「財産所得」の受取と支払を調整したもの(非金融法人、金融機関)などいろいろあるわけです。

(注1)本当は、「営業余剰・混合所得」といって、個人企業については、混合所得が含まれます。そして、個人企業は「家計」に分類されますから、「営業余剰・混合所得」は、家計にも配分されます。

(注2)日本のSNAでは、一般政府と非営利については、営業余剰をゼロとしていますが、93SNAではそのような縛りはありませんので、この2つの部門についても、営業余剰を配分することは十分あり得ます。ただ、これは、日本のSNAでは、政府・非営利は市場生産を行っていないという仮定によるものですから、非常に根の深い問題です。

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