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2011年5月10日 (火)

四重記入(3)

前回は、具体的な四重記入の記録方法を、具体例でみてみました。

今回は、まず、この四重記入についての93SNAの記述を見てみようと思います。

2.54. SNAは、経常勘定の、ある単位または部門の経済価値量を増大させるような取引があらわれる側に、源泉(resources)という用語を用いる。例えば、賃金・俸給は、それを受ける単位または部門によっては源泉である。源泉は、ならわしにより右側におかれる。勘定の左側は、ある単位または部門の経済価値量を減ずるような取引に関係しており、使途(uses)と名付けられる。前の例を続けると、賃金・俸給はそれを支払わなければならない単位または部門にとっては使徒である。

つまり、通常の取引において、何かしらの資産等の増大する取引を源泉と言うということですから、前回の例でいうと、私から見て、パソコンの購入は「源泉」になります。一方で、ヤマダ電機からみてパソコンの販売は「使途」になります。

続いて、

2.56. 蓄積勘定と貸借対照表は完全に統合されているので、蓄積勘定の右側は、負債・正味資産変動と呼ばれ、左側は資産変動と呼ばれる。金融手段の取引の場合には、負債変動は、しばしば負債(純)の発行といわれ、資産変動は金融資産(純)の取得と言われる。

これは、現金のやり取りなど、金融のストックの変動などについて記述しています。これによると、私から見て、現金の支払いは「金融資産(純)」のマイナスの取得、ヤマダ電機からみて現金の受け取りは「金融資産(純)」のプラスの取得となります。

※これが、万が一「掛け売り」の場合は、私は現金で支払わず、ヤマダ電機に借金をして、品物を入手したわけですから、「負債(純)」の発行として記録されます。

続いて、

2.57. ある単位または部門について、国民経済計算は、企業会計と同様に、複式記入原理を基礎にしている。各取引は、一度は源泉(あるいは負債変動)として、一度は使徒(あるいは資産変動)として、2回記録されなければならない。源泉あるいは負債変動として記録される取引の合計と、使途あるいは資産変動として記録される取引の合計と、使途あるいは資産変動として記録される取引の合計は、等しくなければならない。こうして、諸勘定の整合性のチェックが可能となるのである。取引でない経済フローは、その対応項目を正味資産変動として直接に持つという構成になっている。(以下略)

ということです。つまり、当事者間の財・サービスなどのやり取りと、その裏側の対価のお金などのやり取りが、両建てで、取引の対象の2者に記録されるということを書いてあるわけです。

※なお、輸出入については、海外との取引であり、海外のことは計上しませんから、SNAでも複式記入になります。

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