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2011年4月29日 (金)

固定資本形成について(3)

では、現物でない資本移転の場合はどうなるんだろうかということが疑問になってくるのではないかと思いますが、それを整理する前提として、資本調達勘定の金融取引についても考えてみたいと思います。

金融取引は、現金や貸出、借入などの金融面の資産、負債の変動を記録するものでして、具体的には、

(貸方)

現金・預金

貸出

その他の金融資産

(借方)

純貸出(+)/純借入(‐)

借入

その他の負債

となります。

(注)「その他の金融資産」、「その他の負債」はもっと細かく分かれていて、「株式・出資金」や「金融派生商品」などと分けて表章されていますが、ここでは単純化のため、すべて「その他の金融資産」、「その他の負債」にまとめています。

では、前回の

Case1-2 制度部門Aから制度部門Bに、所有しているビル(評価額10億円)を無償で譲渡した。譲渡にかかる費用は1億円。

に戻ってみましょう。この時、譲渡にかかる費用1億円を、制度部門Aはどのように調達したのでしょうか?もし、手持ちの現金・預金を取り崩して、キャッシュで出したとしたら、制度部門Aの金融取引は、

(貸方)

現金・預金        ▲1億円

貸出             0

その他の金融資産       0

(借方)

純貸出(+)/純借入(‐) ▲1億円

借入             0

その他の負債         0

となります。または、銀行などからお金を借りて1億円調達していたとした場合は、同じく制度部門Aの金融取引は、

(貸方)

現金・預金          0

貸出             0

その他の金融資産       0

(借方)

純貸出(+)/純借入(‐) ▲1億円

借入            1億円

その他の負債         0

となります。ここで注目するべきは、前回の実物取引の「純貸出(+)/純借入(‐)」と今回の金融取引の「純貸出(+)/純借入(‐)」が同じ額になっていることです。「この2つは概念的に一致するものである」と言葉で言われるよりも、こうやって実際の取引を計上した方が、一致しているということの実感があるのではないでしょうか。。。

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