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2011年3月 2日 (水)

直接購入(4)

さらに続きです。

前回は、家計最終消費支出について、「国民」と「国内」の概念があることを書いて見ました。そして、その間の調整をするのが、「直接購入」ということになります。

では、何で、そんな「直接購入」などという調整をするのかというと、これが93SNAマニュアルの記述につながるわけでして、以下のような記述があります。

 14.55. 本体系で採用された一般原則に従って、財貨の輸出と輸入は、当該財貨の所有権が居住者から非居住者に、またはその逆にしかる時点で記録されるべきである。(以下略)

つまり、これに従うと、居住者が海外旅行で非居住者から直接購入した財貨・サービスは当然のことながら輸入に含まれ、逆に、非居住者がわが国にきてわが国の居住者から直接購入した財貨・サービスは輸出に含まれるわけです。

そして、その調整をした後の家計最終消費支出については、「国民」概念ということになります。

93SNAの考え方は考え方として、それは分かったとしても、推計上はちょっとした問題がが発生します。というのは、支出側の数字は、何度もご紹介した「コモディティー・フロー法」で推計しているのですが、この推計方法をもう一度思い出していただきたいのですが、これは、『国内総供給を個別の需要項目に配分する』ものです。

何が言いたいかというと、「コモ法で求める需要項目は、国内概念である」ということなのです。つまり、推計上は、いきなり「国民」概念の家計最終消費支出を求めることはできなくて、「国内家計最終消費支出」を求めることしかできないわけです。そして、前述のとおり、この「国内家計最終消費支出」には、海外から日本にきた旅行者の直接購入が含まれます。

ところが、93SNAマニュアルでは、これらの直接購入も、「居住者から非居住者への引渡し」又はその逆なわけですから、輸出入に入れなさいと言っているわけです。

そのため、この調整が必要となってくるわけです。

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