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2011年2月12日 (土)

CPIと家計消費支出デフレーター

GDPデフレーターとCPIの違いについてはよく聞かれますし、これについては、以前もご説明したとおり、総務省統計局のHPでちゃんとした解説が書かれています。

http://www.stat.go.jp/data/cpi/4-1.htm#Q07

ここでは、GDPデフレーターについては、輸出入や設備投資などのデフレーターも影響してくるので異なるが、家計消費支出デフレーターとCPIであれば同じような動きをする、と書いてあります。

ただ、この2つは確かに動きは近いんですが、前年同期比の水準そのものに結構ズレがあります。この原因はなんだろうか?というのが、今回のテーマです。

いろいろと考えたのですが、見ていると、CPIよりもSNAの家計消費支出デフレーターの方が低いようなのです。

(実際に、上記のURLのページでも、CPIよりもSNAの家計消費支出デフレーターの前年同期比の方が下になっています。)

そうすると、やはりパーシェとラスパイレスの違いなのでは?というような気がしてきます。つまり、CPIは基準年でウェートを固定(厳密には中間年で一部変えてますが)しているので、価格が下がっているもののウェートが増えないため、上方バイアスがある、つまり高めに出る。一方、SNAはパーシェですから、直近のウェートで比較するため、下方バイアスがある、ということです。

それを証明するために何かいい方法はないかと考えたのですが、CPIで、参考系列として連鎖指数を出していますので、それと比較してみましょう。

ご存じのとおり、連鎖方式では、ウェートを常に前年にするため、この上方バイアスが少し解消されることになります。

この前公表された12月分のCPIでみてみましょう。

帰属計算である帰属家賃を除くため、「帰属家賃及び生鮮食品除く」の系列で比較すると、

 固定 10月 -0.6

    11月 -0.5

    12月 -0.5

 連鎖 10月 -1.1

    11月 -1.0

    12月 -0.9

でした。

(実際の数値は、総務省統計局のHPをご覧ください。http://www.stat.go.jp/data/cpi/)

明らかに、連鎖の方が下方に行きます。つまり、CPIが高めに出ることの一要因として、ラスパイレス方式であることを挙げることができるのではないかと思います。

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コメント

CPIとGDPデフレーターの問題と同様の現象が、消費総合指数と家計最終消費の動きを比べてもはっきりと見られますね。
基準改定で多少改善されるのでしょうが、実質化も季節調整も一本でやってしまう消費総合指数の作りは、見直してもらいたいものです。

ご参考ですが、CPIに関しては過去10大費目レベルでの季節調整について検証したことがあるそうですが、その時には季節性が顕著に認められる費目については、安定性や適切性の観点からは大した差異は出なかったそうです。ただ、今後季節性に変化が現れることも考えられるため、引き続き注視する必要はありそうです。

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