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2011年1月17日 (月)

刺激

最近、私のいる部に、民間企業や某中央銀行から、出向で来ていただいている方(しかも、QEの分析や予測をしていた人!)が増えてきていて、その方々と話す機会も多くなり、非常に刺激を受けています。

やっぱり、こういう内向きな仕事をする組織で、閉じこもってばかりだとだめだなぁと、日々反省しています。

それで、いろいろとお話をさせていただき、やはり感じるのが、ユーザーや予想する立場とメーカーの立場では、考えることや重視することが微妙に違うんだろうな、ということと、そうは言っても、実際に同じようなことをやっているので、ものすごくマニアックな話で共感できたりとか、非常に面白いです。

民間のエコノミスト(だけではないのですが、以下ではとりあえずそう称することとします)の人たちは、やっぱり、分析のスキルとか、季節調整のノウハウとかは、ものすごく高くて、私のいる部よりもずっとそちらの面では能力が高いと思います。ただ、官庁のように、人的リソースや時間をかけて、丁寧にはできるはずもないので、違いはその部分だけのような気がしています。

あと、一番違っているな、と思うのは、やっぱり、民間のエコノミストの人たちは、景気判断のために使っているため、支出系列、それもQEしか気にしていないんだなということです。

一方で、メーカーの側としては、支出系列だけではなく、所得支出勘定(可処分所得、貯蓄など)や資本調達勘定(設備投資、ISバランスなど)も重視せざるを得ず(というのは、こちらはこちらで、分析材料として使いたがる学者さんもいるので)、さらに、一般政府のISバランスやPBなどは、これはこれでまた需要があり(こちらも、一部の学者さんや官庁内でもヘビーユーザーがいます(笑))、『支出系列だけやってるわけじゃない』という感じなのです。

現状では、メーカー側は、この2つの性質の違う(それでいてどちらも注目されて、どちらも重要な)ものを同じ担当が見ているので、民間エコノミストの方々と比べると、やっぱり、軽重のおき方がちょっと違うなぁと思ってしまうのです。さらに、景気判断や分析はしていないので、そちらがメインの民間エコノミストの方々とは、この面でも意識にズレがあるような気がしました。

昔に比べて、特に一般政府関係のデータの注目度が高まっているということがあるのかもしれませんが、そうだとしたら、今の体制で、一人で両方見ているというのは、そろそろ無理が来ているのかもしれないなぁ、という気もしています。

私は、SNAは、各国比較できる膨大な勘定体系であり、大切な「公共財」だと思っていますから、いろいろな面で利用してもらえるというのはうれしいことですし、むしろ、まだまだ宝は埋まっているので、もっと利用していただきたいと思っているくらいです。ただ、メーカー側も、ユーザーのニーズに合わせて、体制をあわせていく必要があるんだろうなぁ、と考えさせられました。

いずれにしても、私は、この大切な「公共財」を、役人生活の中の短い期間とはいえ「お預かりしている」立場だと思っていますので、せめて自分が「お預かりしている」期間は、この「公共財」の価値を損なうことなく、むしろ可能であれば、少しでも高めることができれば良いなぁと考えて、日々精進している(つもり)ですので、民間エコノミストの方々も、いろいろウザイことをお伺いするかもしれませんが、お邪魔でない範囲で、お付き合いください。

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