純借入(+)/純貸出(-)(2)
まず、一国全体のGDP(支出側)は、以下のようになります。
GDP=民間最終消費支出+民間住宅投資+民間企業設備+民間在庫品増加
+政府最終消費支出+公的固定資本形成+公的在庫品増加
+輸出-輸入
ここで、簡便的に、支出項目を、消費支出と総資本形成(固定資本形成と在庫品増加)だけに分けて考えてみますと、
GDP=民間最終消費支出(CP)+民間総資本形成(IP)
+政府最終消費支出(CG)+公的総資本形成(IG)
+輸出(Ex)-輸入(Im) …①
となります。アルファベットのところは、総資本形成のところはちょっと違うのですが、まあ、わかりやすくIP、IGとしておきます。
ここで、所得の概念から考えていきたいのですが、とりあえず、国内総所得(GDI)を考えてみます。ちなみに、名目の場合、これはGDPと等しくなります。
所得は、一国全体でみれば、消費支出に使われ、余ったものは貯蓄となります。ここで、民間と政府の貯蓄をそれぞれSP、SGとしておきます。
(この貯蓄も、本来の貯蓄とは異なるのですが、説明をわかりやすくするために、ざっくりと言っていますので、公表している『貯蓄』とは異なることにご注意ください。)
すると、
GDI=CP+SP+CG+SG …②
になります。ここで、名目の場合はGDPとGDIはイコールですから、①と②より、
CP+SP+CG+SG= CP+IP+CG+IG+Ex-Im
(SP‐IP)= ‐(SG‐IG) ‐(Im-Ex) …③
となります。
ここで、あえて、概念が違うと言いながらIとSを使っていた理由がお分かりいただけるかと思うのですが、ISバランスを部門別にみると、政府のISバランスの符号を逆にしたものと、外需の符号を逆にしたものの合計が、民間部門のISバランスになるということがわかります。
これが私なりに考えた、ISバランスの式になります。
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