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2011年1月29日 (土)

純借入(+)/純貸出(-)(4)

最後に、貯蓄(S)のところで、実際のSNAの概念とは異なる説明をしてしまったので、その点だけの補足と、公表資料での確認をしてみたいと思います。

今までの説明では、Sを、「国内総所得(GDI)」からスタートして消費支出を控除していました。実際のSNAでは、この所得のスタートは、可処分所得になります。可処分所得とGDIで何が違うかというと、財産所得の受取・支払があるのと、各種の移転(経常と資本があります。厳密には、税金も移転の一種です)の受取・支払が調整されている点になります。

ですので、前回までで書いてきたSは、SNAで公表している貯蓄とはわずかですが異なりますのでご注意ください。

(ただ、海外部門とのやり取りも含めて考えると、結局のところ、一国全体(海外取引を含む)では、この合計は一致するので、公表している「純借入(+)/純貸出(-)」では、先ほどの恒等関係は成り立ちます。)

そして、我が国の国民経済計算年報では、「純借入(+)/純貸出(-)」の制度部門別表があります。具体的には付表19になります。

http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/h21-kaku/23annual-report-j.html

これを見ていただければ、一般政府と海外部門とそれ以外(すなわち民間部門)の「純借入(+)/純貸出(-)」の合計がゼロになるのがお分かりいただけるかと思います。

(技術的な話ですが、統計上の不突合も合計しないとゼロになりません。これは、先ほどのSを求める際のGDPが生産側を用いており、一方でIを求める際のGDPは支出側を用いているためで、そのため、生産側と支出側のズレが出てしまうことが原因です。不突合というのは、こんなところにも影響してしまいます。。。)

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