« 海外勘定(4) | トップページ | 海外勘定(6) »

2010年12月 3日 (金)

海外勘定(5)

さて、話を元に戻すと、デリバティブの話でした。

93SNA導入時から、SNAでは、デリバティブは、今まで説明してきました「金融取引」として計上されてきました。

では、何でこんなことが質問になるかというと、その基礎統計である「国際収支統計」では、2001年までは、このデリバティブが経常取引のうち、所得収支(利子など)に入っていたからなのです。ですので、過去は、SNAの推計でも、「組み換え」の一環として、このデリバティブを財産収支からはがして使っていたのです。「なので、今はどこに入っているんですか?」という質問が出てくるわけです。

現在、デリバティブについて、金融取引として、貸出や株式などと一緒に扱われていることに違和感はないと思います。では、過去、なぜ財産所得(利子など)に入れていたのかと考えると、デリバティブも、昔は、たとえば商社などが一年先の穀物の取引のために、為替変動をヘッジしておくために使われるなど、どちらかと言うと、実際に取引が行われることに対する派生商品ということが多かったのではないかと思います。それであれば、との実際の取引の金利等ということで、所得収支に入るという整理も自然だと思うのです。

ただ、最近のデリバティブは、実際の取引の派生というより、それそのものが完全な投資対象となってしまっている面が強くなっています。ですので、この取り扱いが変わったのではないかと思います。

日本銀行のHPでもこの取り扱いの変更についてのアナウンスがありますが、このタイミングでIMFの国際収支統計マニュアルが変更となったようです。変更となったのには、このような背景があったのではないかと思います。

(日本銀行のHPのリンクです。)

http://www.boj.or.jp/type/release/zuiji/nt_cr/kako02/ntbop01b.htm

« 海外勘定(4) | トップページ | 海外勘定(6) »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/559179/50195882

この記事へのトラックバック一覧です: 海外勘定(5):

« 海外勘定(4) | トップページ | 海外勘定(6) »

無料ブログはココログ
2016年8月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31