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2010年11月28日 (日)

海外勘定(4)

続いて金融取引です。

ここは、現金・預金、貸出、借入、株式などの金融資産と負債の増減が記録されます。これは、まず上欄に金融資産の増減が記録され、合計として「資産の変動」が分かります。そして、下欄には負債の変動が出てくるのですが、ここで、バランス項目である「純貸出(+)/純借入(-)(資金過不足)」というものが出てきます。

これは何かと言うと、一国全体での、金融資産の増減額と金融負債の増減額の差です。具体的には、「金融資産の増減額-金融負債の増減額」で求められますので、一国全体で、金融資産がネットでどれだけ動いたのか、というものだと考えていただければ良いと思います。

ここで、前回更新した際の記述を思い出していただきたいのですが、

さて、本題に戻りますと、資本取引では、こういった資本移転の受取と支払が計上されるのですが、まずスタートが、経常取引のバランス項目だった「経常対外収支」でして、これに、受け取った資本移転を加え、支払った資本移転を控除します。こうして求められたのが、「経常対外収支・資本移転による正味試算の変動」でして、これが資本取引のバランス項目になります。

このバランス項目は、名前は長いですが、要は、金融取引以外の取引の結果、一国の(実物)資産がどれだけ動いたのか、ということを表しています。

と記述しました。

海外勘定の経常取引と資本取引のバランス項目は、一国内で実物資産がどれだけ変動したかを表しており、我が国の場合は輸出が多いので、実物資産は減少しています。一方で、その対価として、現金などの金融資産が増えているはずなのですが、それが金融勘定のバランス項目の「純貸出(+)/純借入(-)(資金過不足)」になります。ですので、この両者は一致することとなります。

※実際には、実物取引では、「輸入-輸出」がバランス項目で、金融取引は「資産(輸入?)-負債(輸出?)」がバランス項目なので、符号が逆になっていますので一致するのですが、むしろ、いずれも、「輸入-輸出」で考えたときに、実物資産の変動と金融資産の変動は合計するとゼロだと考えたほうが分かりやすいかも知れません。

そして、良く知られているように、国内の各制度のISバランス(純借入(+)/純貸出(-))を合計すると、経常対外収支(正確には「経常対外収支・資本移転による正味試算の変動」)と一致しますので、一国全体のISバランスの合計は「純貸出(+)/純借入(-)(資金過不足)」とも一致することとなります。

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