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2010年11月27日 (土)

海外勘定(3)

前回は「経常対外収支」は、経常取引の「受取(輸入)-支払(輸入)」で求められるバランス項目であることまで書きました。

で、つぎは、資本取引のところになります。資本取引は、資本移転の受取と支払を記録します。

前回も移転の話はさらっと流してしまったのですが、移転とは、「財貨、サービスまたは資産の見返りなしに財貨、サービスまたは資産を供給する取引」のことでして、ここで「財貨、サービスまたは資産の見返りなし」というところがポイントです。

93SNAの記述では

 8.27.移転は、ある制度単位が、対応物としてその見返りにいかなる財貨、サービスまたは資産をも受け取ることなしに、財貨、サービスまたは資産を他の単位に対して供給する取引として定義される。現金移転は、ある単位が他の単位に対していかなる対応物もなしに行なう通貨または通貨性預金の支払いからなる。現物移転は、やはりいかなる対応物もなしに行なう、現金以外の財貨または資産の所有権の移転か、あるいはサービスの供給からなる。

とされています。

この定義でお分かりいただけますとおり、税金や補助金などは、移転の一類型となります。ただ、ここでは、とりあえず、「経常移転」と「資本移転」の区別がつけばと思うのですが、大雑排に言って、「資産そのものの移転」または「資産の取得(または処分)とリンクがある現金の移転」が資本移転で、それ以外は経常移転になります。(ただ、税とか社会給付などは別項目なので、「その他の経常移転」という項目になっています。)

さて、本題に戻りますと、資本取引では、こういった資本移転の受取と支払が計上されるのですが、まずスタートが、経常取引のバランス項目だった「経常対外収支」でして、これに、受け取った資本移転を加え、支払った資本移転を控除します。こうして求められたのが、「経常対外収支・資本移転による正味試算の変動」でして、これが資本取引のバランス項目になります。

このバランス項目は、名前は長いですが、要は、金融取引以外の取引の結果、一国の(実物)資産がどれだけ動いたのか、ということを表しています。

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