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2010年11月 6日 (土)

準法人企業(3)

実は、前回までの話では、半分くらまでしか真相に迫れていなくて、『何で、法人格を持っていないのにも関わらず、そのような自らの貯蓄、資産、負債等を完結して保有している非法人企業を、法人企業のように扱うのか』ということについてはまったく説明していません。

実際に、93SNAでも、

  準法人企業という概念の意図しているものはかなり明確である。すなわち、十分な自己完結性と独立性をもち、法人企業と同様に振る舞う非法人企業をその所有者から切り放すということである。

としか書いていなくて、『何で切り放すのか?』ということは明確ではありません。ただ、想像するに、『十分な自己完結性と独立性をもち』と『法人企業と同様に振る舞う』という言葉から想像するに、一部門がその所有主体(準法人企業と言うことは所有者がいます)と別な行動を行う可能性があるなら、それは別の主体として記録することが正しいでしょう!と考えているからなのではないかと想像します。

実際に、同じく93SNAでは次のような記述があります。

 「体系」(作成者注:93SNA「体系」のことです。)内にはおもに3種類の準法人企業が存在する。

 (a)政府単位に所有され、市場生産に従事し、公的に所有される法人企業と類似の方式で運営される非法人企業

 (b)家計に所有され、民間の法人企業のように経済活動を行なっている、非法人パートナーシップを含む非法人企業

 (c)外国に居住する制度単位に属する非法人企業、これらは、恒久的支店、外国の法人企業または非法人企業の事務所、もしくは長期間または期限を定めずにその経済領域内において顕著な量の生産に携わっている外国企業に属する生産単位から構成される。たとえば、橋、ダムまたは大規模構築物の建設に従事する単位である。

これを見ると、(a)については、政府が保有していながら、市場生産に従事していて、しかも、「十分な自己完結性と独立性を持っている」というものは、もはや「政府」ではなく、別の扱いにしましょうということだと思います。

b)については、恐らく、法人格を持っていない個人企業のことでしょう。でも、これを、家計としての活動と切り放すのは困難で、実際に93SNAでも別の部分の記述でそれは認めています。

c)は、外国法人が、国内で法人格を持たない事業所を置いている場合も、国内の活動主体としてみ認めたい、という趣旨だと思います。これをやらないと、たとえば、アメリカの法人の東京事業所が行った活動(消費でも何でも良いですが)が、日本国内の支出としては捉えられなくなってしまいます。

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