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2010年10月 7日 (木)

GNPとGNI(5)-交易利得-

ようやくこれで、交易利得を説明する準備が整いました。

交易利得は、

1

但し、Pはニュメレール・デフレーターのことで、

2

となります。また、

3 :名目輸出   4 :名目輸入

5 :輸出価格指数 6 :輸入価格指数

7_3 :実質輸出   8_2 :実質輸入

です。

このとき、交易条件とは何を意味しているのでしょうか。。。

わが国のSNAの解説では、

第1項の分子(X-M)は、海外との貿易を通じて得られる名目所得を表している。これは、次の3つの要因によって規定される。

 (1)輸出入数量

 (2)輸出入価格の全般的水準

 (3)輸出入の相対価格(いわゆる交易条件)

ここで、要因(2)について若干の説明が必要であろう。輸出入数量(要因(1))や交易条件(要因(3))が不変であっても、貿易を通じて得られる名目所得は変化し得る。例えば、輸出入される財貨・サービスの価格が全般的に2倍に上昇すれば、名目所得も2倍になる。要因(2)は、このような輸出入価格の全般的な動きを捉えるものであり、(a)式においてはP(ニュメレール・デフレーター)で表されている。ニュメレール・デフレーターの選択については議論が分かれるところだが、わが国の国民経済計算では輸出入価格の加重平均を採用している。

さて、(a)式の第1項は、(X-M)をPで除して要因(2)の影響を取り除いたものであり、貿易を通じて得られる実質所得を表す。一方、(a)式の第2項は、輸出入の数量差であり、要因(1)によって規定される実質所得を表している(なお、これはすでに実質GDPに反映されている)。したがって、(a)式の第1項から第2項を控除した結果は、要因(3)(交易条件)の変化に伴う実質所得の変化を捉えるものであり、また、貿易を通じて得られる実質所得のうち実質GDPには反映されていない部分を表している。

と書いてあります。

簡単に言ってしまうと

① 貿易によって得られた名目の所得を【X-Mの部分】

② 貿易財の『絶対』価格の変化分を除き【ニュメレール・デフレーターPの部分】

③ 実質GDPに反映されている、輸出入の数量差を引く【9 の部分

ということになります。

このうち、②の部分については、前回少し説明しましたが、交易条件の変化とは『絶対』価格ではなく『相対』価格の変化によるものであると説明しました。ここは、その『絶対』価格の変化の部分を取り除くという作業になります。

(ニュメレール・デフレーターの選択が適切かという議論はありそうですが、理論的にはそういうことになります。)

そして、③の部分は、要は実質の輸出-実質の輸入ですから、純輸出として入っている部分を引いているというだけのことです。

というわけで、これが交易利得です。

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