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2010年8月31日 (火)

政府最終消費支出の減耗(2)

この質問に対する説明をするときにいつも思うのは、やはり、「日本のSNAは支出側がメインでありすぎる」ということです。

とまあ、感想は置いておいて、具体的に考えてみたいと思います。

まず、GDP(支出側)とはいったい何でしょうか?それは、「一国内で生み出された付加価値が、どこに消費されたか」というものをみるためのものです。

ここで注意しなければいけないのは、「付加価値」であって「生産物」ではない点です。すなわち、「生産物」の中には国内で「中間消費」されているものもあるでしょうが、そういったものは、「付加価値」の増加にはつながりませんから、GDP(支出側)には出てきません。

さて、そうすると、GDP(支出側)は、一国で生み出された付加価値が、消費や設備投資に配分されている様子を示しているものであるということが言えると思います。このとき、設備投資に配分されたものの一部が「減耗」するかもしれませんが、別に支出側の概念から見ると、「作った付加価値がどこに配分されたか」というだけの話なので、配分した先で減耗してもしなくても、数値には影響しないわけです。(すなわち、グロスであるのが適切とうことになります。)

この点は、政府最終消費支出に配分されていようと、公的固定資本形成に配分されていようと同じです。

では、ここで、その配分された付加価値の「価値」をどのように測るかということを考えて見ましょう。基本的には、市場価格になります。ばくっというと「いくらで売買したか」ということです。

ただ、政府最終消費支出については、以前もご説明しましたが、「政府が生み出したサービスのうち、家計や企業から受け取った対価(これはものすごく安い)では、まかなえなかった部分について、政府が自ら自己消費していると擬制している」ものです。そして、この政府の自己消費部分については、市場価格が分からない(というか存在しない)ので、どうするかというと、「いくらかかったか」という観点から計算するのです。

そのいくらかかったか、という計算は、結局のところ生産側(というか分配側)と同じで、

雇用者報酬 + 中間投入 + 生・輸税 + 固定資本減耗

となるわけです。これに「現物」部分を加え、商品・非商品販売を控除したものが、政府最終消費支出です。

つまり、「政府最終消費支出に入っているように見える固定資本減耗は、市場評価ができないものについて、『いくらかかったか?』を計算している」だけであって、政府最終消費支出自体は、「生み出された付加価値」の配分ということには違いがありません。つまり、見る方向が違うというだけで、2重計上でも何でも無いんです。

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