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2010年8月 2日 (月)

連鎖デフレーター(6)

前回は、連鎖の重要な特徴のひとつである、「加法整合性がない」ということを説明しました。でも、個別の項目を足せないのは不便です。

でも、思い出してほしいのですが、パーシェ型連鎖デフレーターについては、基準年とその翌年については、パーシェ型固定デフレーターと同じと説明しました。そして、同じことですが、基準年とその翌年については、連鎖実質値と固定実質値は同じになります。

ということは、『基準年とその翌年については、加法整合性がある』ということになります。この性質を用いると、個別項目からの統合も可能になります。わが国で(もともとは、イギリスが採用しているのですが)パーシェ型連鎖デフレーターを使っている理由のひとつは、この性質があるからなのです。

さて、基準年とその翌年について、加法整合性があるということは、言い方を変えると、「前年基準に加工してしまえば、加法整合性は成り立つ」ということになります。それを、少し数式を用いて書いてみます。

1

でした。このとき、前歴年を基準年とするためには、デフレーターを前歴年が100となるように調整してやればよいので、

2

をデフレーターとして用いてあげればよいことが分かります。

このとき

3

ですから、求めたいのは、

4

となります。これは、前年価格による当年数量の積和となります。これは当然のことながら、加法整合性があります。

一方、左辺をもう一度考えてみると、

5

となります。これが、前年価格による当年数量の積和なわけですから、すなわち、「前年のパーシェ型連鎖デフレーターと当年の実質値の積は、個別項目を合計することができる。(加法整合性が成立する)」ということになります。

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

ある統計ど素人の者です。
とても丁寧なご説明ありがとうございます。
理屈としてはある程度わかったつもりなのですが、いくつかご質問があります。

実際に内閣府のデータを用いて

「前年のパーシェ型連鎖デフレーターと当年の実質値の積」

を計算してみた所、加法整合性が成立しませんでした。
これはどういった理由が考えられるのでしょうか?
また、2000年暦年の名目値と実質値を見比べてみますと、在庫品増加で
名目値と実質値が異なっております。
更にそれにも関らず、在庫品増加デフレーターは100となっており、混乱している次第です。

もしお時間ありましたら記事で取り上げて頂ければと思います。

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