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2010年8月28日 (土)

連鎖の開差

なかなか暇がなく久々の更新です。

直前に連鎖について書いたので、その関係でひとつだけ。

4-6月期1次QEを受けて、民間エコノミストの方々がコメントを書いてくださっていて、その中で『???』というものがあったので以下指摘を。

某社のレポートで、

ただし、本日発表された第2四半期GDP第1次速報の下振れは、弱さが過大評価されている面もある。(中略)第2に、開差の縮小がGDP(前期比年率)を0.6%ポイント押し下げている。開差の縮小要因を除くと、実勢は+1.0%ということになる。(後略)

というものがありました。非常に驚いてしまいました。

以前に連鎖デフレーターについてご説明しましたときにも書きましたけど、「開差」は、連鎖の場合加法整合性が成り立たないから、個別項目を足したものとの差を「開差」として出しているわけですけれども、「開差」そのものはGDPの伸び率にはまったく影響しません。なので、こういう間違いを書かれると非常にびっくりします。

そのときに、連鎖の実額はあまり意味がない、と申し上げたのに、その実額部分のしかも「開差」を持ってきて、それがGDPの伸び率に影響を与えているなどと言う解説は、なんとコメントしたらいいのか???と悩んでしまいます。

また、寄与度についても、以前ご説明したとおり、「1年前を基準年とした1年前の連鎖実質値」という形になっているので、この場合は開差は発生しません。(四半期の場合は厳密には違う面もあるんですが、ここで問題になるようなレベルのものではありません。具体的な説明は、http://taro-sna.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/post-d210.htmlのとおり。)

予測よりも低かったため、好意的に分かっていて書いていただいたのかもしれませんが、こういう誤解は、なんだかなぁ、と思ってしまいます。なかなか現場のことは分かっていただけませんが。。。

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