« 在外事業所との取引 | トップページ | 連鎖デフレーター(8) »

2010年8月 8日 (日)

在外事業所との取引(2)

昨日の話について、何が面白いのかということを説明するために、昨日と別の見方をしてみましょう。

GDPとは国内総生産ですから、もともとは『生産』の概念です。で、生産の側から国内総生産を定義すると、

 GDP = 産出(=生産) - 中間投入

となります。中間投入とは、生産するために、他の製品やサービスをどれだけ使ったかというものです。

このとき、昨日ご説明したとおり、「産出」には、まったく国外の事業所は関係してきませんから、中間投入のところだけです。

ただ、中間投入の中には、海外の事業所から輸入したものの一部が使われているかもしれません。そして、その分だけ、GDPを減らしていることになることはお分かりいただけると思います。

すると、

日本企業が海外の生産拠点(倉庫等)などで製品を生産し、日本で商品を販売した場合

については、海外の生産拠点などで生産したもののうち、「日本で販売したものが、中間投入として使われた分だけ、GDPを減額させ、最終消費支出として使われたものは、まったく影響を与えない」ということになります。

なんだか、昨日の支出側から見たのとちょっと違うことになってきました。。。

これは、GDPとはその言葉のとおり、「生産」のものであるのですが、生産については、その生産に使った輸入品のみが控除されるのに対し、支出側は個別の最終需要からみるため、個別の需要項目(消費及び資本形成)には輸入品に対する消費等が入っているため、それを、最後に「-輸入」として調整しているから、異なってくるのです。

とは言っても、前述のとおり、最終消費の中には「輸入品」の最終消費が入っているため、減額されているのは中間投入の部分と同じなのですが。。。

非常に分かりにくい説明で、わけが分からないかもしれないのですが、少なくとも、「GDPにカウントされますか?」ということについて、単純に「カウントされる」とも「カウントされない」ともいえないような問題であるということはお分かりいただけたと思います。

そもそも、「カウントされる」ということ自体が、GDPの概念とあっていないのかもしれません。

ただ、こういう発想が主流であるのは、日本のGDPが圧倒的に支出側から見られているということに端を発しているような気がします。

そして、支出側から推計しているというのは、国際的には少数派であるということも事実のようです。

なお、供給側推計を重視すべき、と、一部のエコノミストの人たちは、言うのですが、彼らの言っている供給側推計というのは、実は、ここで言っている「生産側から見た」、という話ではなく、「供給側の統計を用いた支出側推計」のことです。

ですので、「国際的にみて、供給側がメイン」という話と、この点は、実は少しずれているんです。

(とはいえ、日本のように、需要側の統計を用いて推計しているというのが、非常にレアケースであるのは確かです。そもそも、諸外国に、家計調査や法人企業統計などありませんし(笑))

※なお、近いうちに一度、この統計メーカーと統計ユーザーについて、お互い誤解があると思われる点について、書いてみたいとは思っているのですが、なかなかその時間もなく。。。

« 在外事業所との取引 | トップページ | 連鎖デフレーター(8) »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/559179/49097810

この記事へのトラックバック一覧です: 在外事業所との取引(2):

« 在外事業所との取引 | トップページ | 連鎖デフレーター(8) »

無料ブログはココログ
2016年8月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31