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2010年7月 6日 (火)

『最終消費支出』と『現実最終消費』(3)

さらに、昨日の続きです。

『最終消費支出』と『現実最終消費』は、「誰が支払っているか」に着目するか、「誰が便益を享受しているか」に着目するか、の違いということでした。そうすると、「誰が便益を享受しているか分からないサービス」も存在するが、それはどうするのか?という疑問が出てきます。

政府や民間非営利団体などの、生産部門が「自己消費」していると擬制しているものについては、その消費を、「個別消費」と「集合消費」に区別しています。久々に、わが国のSNAの解説を見てみると、

個別消費支出(Individual Consumption Expenditure)と集合消費支出(Collective Consumption Expenditure)

 非市場生産者の最終消費支出は、個々の家計の便益のために行った「個別消費支出」と社会全体のために行った「集合消費支出」に区分される。

 具体的には、「個別消費支出」は、医療保険及び介護保険によるもののうち社会保障基金からの給付分である「現物社会給付」、及び教科書購入費、教育、保健衛生などの個別的サービス活動に要する消費支出である「個別的非市場財・サービスの移転」の和となっており、「現物社会移転」の額と等しい

 一方、「集合消費支出」は、外交、防衛、警察等の社会全体に対するサービス活動に要する消費支出である。

 なお、この移転のうち、一般政府から家計への移転額は一般政府の個別消費支出に計上される。

 また対家計民間非営利団体から家計への移転額は対家計民間非営利団体最終消費支出に等しい。

また細かくて分かりにくいですが、ばくっといって、「個々の家計の便益のための『政府の消費』」(このレトリックが一発で理解できれば、SNAに相当慣れている証拠です(笑))が「政府個別消費支出」で、「社会全体のための『政府の消費』」が「政府集合消費支出」です。

具体的な例としては、「集合」は、昨日上げた、防衛とか警察みたいな、「世の中全体のための制度設計」みたいなものです。一方、「個別」は、教育サービスとか、一昨日の例で出た医療サービスとかです。

そして、重要な点は、「『個別消費支出』については、『家計現実最終消費』に含まれ、『政府現実最終消費』は、『集合消費支出』だけになる」という点です。

すなわち、これもSNAの解説からもってくると、

最終消費支出(Final Consumption Expenditure)と現実最終消費(Actual Final Consumption)

 (中略)

 ・家計の現実最終消費は、家計の最終消費支出、対家計民間非営利団体の最終消費支出及び政府の個別消費支出の和。

 ・政府の現実最終消費は、政府の集合消費支出。

ということになります。

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