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2010年7月 6日 (火)

『最終消費支出』と『現実最終消費』(4)【「個別」と「集合」】

個別と集合については、もう少し書きたいこともあるので、続きを書きます。

また同じ文章ですが、

個別消費支出(Individual Consumption Expenditure)と集合消費支出(Collective Consumption Expenditure)

 非市場生産者の最終消費支出は、個々の家計の便益のために行った「個別消費支出」と社会全体のために行った「集合消費支出」に区分される。

 具体的には、「個別消費支出」は、医療保険及び介護保険によるもののうち社会保障基金からの給付分である「現物社会給付」、及び教科書購入費、教育、保健衛生などの個別的サービス活動に要する消費支出である「個別的非市場財・サービスの移転」の和となっており、「現物社会移転」の額と等しい

 一方、「集合消費支出」は、外交、防衛、警察等の社会全体に対するサービス活動に要する消費支出である。

 なお、この移転のうち、一般政府から家計への移転額は一般政府の個別消費支出に計上される。

 また対家計民間非営利団体から家計への移転額は対家計民間非営利団体最終消費支出に等しい。

についてです。

1パラは説明済みですので、2パラからいくと、まず、「個別」は、医療や介護の保険給付部分が入り、それを「現物社会給付」といいます。この言葉からも、実際は病院がサービスを生産しているにもかかわらず、政府が当該サービスを購入した後「給付している」と整理していることがよく分かると思います。

このほかに、教科書の購入費や教育サービスなどの、家計に直接便益が享受される活動に対する『政府の消費支出』も含まれ、これを「個別的非市場財・サービスの移転」と言います。

この言い方も非常に「プロ使用」になっていて(笑)注意深く読まないと、読み飛ばしてしまいます。前も説明しましたが、教育サービスなどは、「市場価格」が存在しないので、その生産にかかった費用を積み上げます。ただし、そのサービスを享受した家計は、まったく対価を払っていないわけでなく、「授業料」として一部払っています。でも、その「授業料」だけで、生産にかかった費用をすべて賄えるわけではないですから、その残った部分を政府が自己消費しているとみなすのですが、その部分を「個別的非市場財・サービスの移転」というのです。もうお分かりのようにここでいう「授業料」は「商品・非商品販売」ですから、個別消費のうち、現物社会給付以外の部分については、

 「個別的非市場財・サービスの移転」=「生産費用」-「商品・非商品販売」

     =「雇用者報酬」+「固定資本減耗」+「生・輸税」-「商品・非商品販売」

ということになります。

なお、それではこれとの並びで、医療や介護の自己負担部分は「商品・非商品販売」で残りの部分が「現物社会給付」、と思ってしまいそうですがそうではありません。

医療や介護は、他の行政サービスと違い、生産者は病院などの民間や公的の産業です。政府が自ら生産しているわけではないです。ですので、自己負担分の3割(介護は1割)は、家計から病院への支払としてカウントされます。そして、給付部分だけが、政府が購入したとみなして、政府最終消費支出に計上されます。

これら2つの合計が「現物社会移転」であり、「個別消費支出」と等しくなります。

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