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2010年7月15日 (木)

GDP統計の在り方検討

本日、前に少し書きました、「GDP統計の在り方」についての検討結果を公表しました。

http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/100714/announce.pdf

専門的過ぎて、分かりにくいと記者の方から「相当」言われたのですが、確かにそのとおりで、思いっきり推計手続きの話なので、どうしてもそうなってしまうのです。。。(逆に言えば、ここまでマニアックなところに入らないと、もう、改善余地がないということでもあるのですが。)

そこで、罪滅ぼしでもないですが、少しだけ、簡単に解説をしたいと思います。

一つ目は、以前、このブログでも書いた、1次QEにおける需要側推計値の仮置き値の話です。お忘れになっていたら、これを見てみてください。

http://taro-sna.cocolog-nifty.com/blog/2010/06/13-2816.html

ここでも書きましたが、

1次QEでは、需要側推計値は作成できないが、その季節調整済前期比増減率が供給側推計値の季節調整済前期比増減率と同じであると仮定して需要側推計値を作り、

というところのことでして、ここで書いてある、「季節調整済前期比増減率」というやつが、「TCI」系列の前期比増減率になります。ここから、「I」をとった、TC系列の前期比増減率が、「需要側推計値」の「季節調整済前期比増減率」と等しいとして、仮置きするということです。

一応説明すると、季節調整を行うときに、X12-ARIMAでは、TC系列、I系列、S系列に分解します。(TC系列は、厳密には、T系列とC系列に分解できるのですが、X12-ARIMAではできません。)

で、TC系列というのは、トレンド(T:長期趨勢)、サイクル(C:短期変動)、イレギュラー値(I:不規則変動)、季節変動要因(S)です。季節調整とは、こうやって各要素に分割したもののうち、Sだけ取り除くものです。

今までは、これで、需要側推計値と供給側推計値で、季節調整済前期比が等しいだろうと仮定していたのですが、よくよく考えてみると、需要側推計値の「I」と供給側推計値の「I」が同じ方向に動くかどうかなんて分からない、というか、「I」の定義上、「どこに動くか分からない部分」というものなので、予測しようというのが無理なんですよね。

そこで、供給側の「I」で、需要側の「I」を予測しようとするよりは、供給側の「I」は無視するつまり「0」だと考えたほうが、平均的には当たるでしょう、ということなんです。

これが、一つ目の話です。

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

 はじめまして。某県で県民経済計算やI/O等を作成している統計メーカーです。 
 先般このブログの存在を知り、以来毎日拝見しております。分かりやすい解説・説明、
大変勉強になります。有り難うございます。

 主旨が違いますし、どの記事のコメント欄に書き込もうか悩みましたが・・・、とりあ
えず、この記事に書き込ませていただきます。

 さて、そちら国民経済計算部とは、実質、地域・特定勘定課の方々としか接点がないの
で、(時折、情報提供があるというものの)、国SNAの実務的な作業状況が今ひとつ分
からない状況にあります。非公式なブログで質問するのはいかがかと思いますが、以下の
点について、ズバリそちらの現状を教えてください。

 「国SNAにおいて、17年基準改定に向けた作業はどの程度進んでいるのでしょうか?
目処はたっているのでしょうか?ざっくりで結構ですので、進行状況を教えてください。」

 いま全国の都道府県等では、未定のままの国基準改定の動向を前に、県民経済計算の基
準改定をどうすべきか頭を悩ましています。国の基準改定を受けて、各県における改定作
業を行うのは十分判っていますが、国と県では推計資料や推計データ項目が違うため、各
県において、作業をしてみて初めて判る問題が数多く発生するものと思います。
 まずは来年度23年度に大半の作業をこなさなければならないと思いますが、各県とも
限られた予算・人員で兼務作業していますし、平成23年は、経済センサスや、I/Oで
重要になる商品流通調査等々もあり、少しでも早く段取りを進める必要があると思ってい
ます。

 先日、地域・特定勘定課の方を招いたブロック会議があったのですが、この会議の場で、
17年基準改定の件が議題・話題に上がりました。各県・市ともかなり危機感を抱いている
ため、基準改定にむけた方針・見通しの早期提示について国への要望・批判が相次ぐ一方、
地域・特定勘定課のO課長は集中砲火を受けて炎上するばかり・・・・・。少し可哀想で
した。で、その際、O課長が回答として「そもそも国民経済計算の基準改定の方針・見通
しすら決まっていない状況で・・・」なんてことを頻繁におっしゃって防戦しておられた
のですが・・・、正直なところ、どうなんでしょう?本当に目処すらたっていないのでし
ょうか。私たちも、そちら国民経済計算部にオンブに抱っこの状態でいることを良しと思
っていませんし、ブロック会議等を通じて、例えば「国と県が共同で検討作業を行う場」
を設けるとか、「一部の県が先行的かつ試行的に改定作業を行うモニター制の導入」を提
案することで、地域・特定勘定課の方だけで抱え込み、限られた時間を浪費することがな
いよう、なんとかしたいと考えています。
 以上、少し長くなりましたが、よろしくお願いします。

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