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2010年6月28日 (月)

ストック編(続き)

昨日少し書いた、政府についての「純資産」の意味づけについて少し書きながら考えてみたいと思います。

昨日は、SNAでも制度部門ごとの貸借対照表があり、当然その中で「資産」-「負債」で定義される「正味資産」の項目があると書きました。ただ、その内訳は、企業会計のように、株主資本などに細かく分けているわけではなく、その点は、むしろ公会計と同じ書き方になっているというようなことでした。

で、公会計でも、この部分を「資産・負債差額」として一括計上しかしていないのは何でなのだろうかと考えてみました。昨日も書いたみたいに、政府に対する資本って何かわからない上に、資本の取引が存在しないから、あえて、取引可能な株主資本と未現実利益に分ける必要性がない、ってことなのかなと思いました。調べてみても、HPとかでは、あまりはっきり書いてあるのが無いのですが。。。

さて、内訳の意味は相変わらず分からないのですが、この「資産・負債差額」にあたる「正味資産」の意味は何なのか少し考えて見ます。「資産」=「負債」+「正味資産」ですから、ある制度部門が持っている資産について、見合いで、「負債」と「正味資産」に分けられるということですが、このうち、「負債」は返さなきゃいけない債務ですから、『資産の見合いのうち、まだ払っていない部分』、と見れるでしょうか?そうすると逆に「正味資産」は、『資産のうち既に払った部分』、と考えられるような気がします。

なお、H20暦年末の一般政府の「正味資産」は約11.8兆円で、プラスですが、過去から徐々に減ってきてはいます。

長期債務残高の話をするときに、「資産」と「負債」を見合いで考える必要がある、という意見がありますが、こうやって考えてみると、「正味資産」がプラスだから、まだ借金できるという問題でも無いような気がします。というのは、今の話のとおりだとすると、これ以上負債が増えるということは、「正味資産よりも負債の比率が高くなり、それは、まだ払っていない部分、言い換えると将来世代が払わなければいけない部分が増える」という言い方ができます。別のもっと厳しい言い方をすると、これって、将来世代への付け回しともいえますよね。

ただ、「負債」といってもその使い方に違いがあって、経常経費に使ってしまえば何も残りませんが、設備投資に使えば、(減耗はありますが)「資産」として残る部分があり、右側と左側が両建てで増えるので、「正味資産」には影響しない(はず)です。これが、赤字国債は特別法によらなければいけない一方で、建設国債は財政法に規定があるということにつながると思います。むしろ、「正味資産」については、こういう見方に使ったほうがいいような気もします。

(なお、厳密に、発生主義で減耗等も計測できていたのであれば、実は、正味資産はゼロでも良い、という考え方もあるのではないかと。。。(笑))

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