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2010年6月 8日 (火)

ISバランス(6)

ようやく本題の、「純貸出()/純借入()」まできました。

この「純貸出()/純借入()」は何を意味しているのでしょうか?

久しぶりに、SNAの用語解説(http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/term.html)を見てみます。

純貸出(+)/純借入(-)Net Lending / Net Borrowing

実物面において、投資と貯蓄は経済全体をとれば一致するが、部門別に見ると一致しないのが普通である(例えば、家計は貯蓄超過主体である等)。このような投資と貯蓄の差は、一般にISバランスと呼ばれる。これに資本移転の受払を加えたものが「純貸出(+)/純借入(-)」であり、資本蓄積の原資と非金融資産の取得とのバランスを表している。

(後略)

例によって難しい言い方になっていますが、(5)で書いたとおり、「貯蓄」と「総固定資本形成及び意図していない投資である在庫品増加の合計」は一国全体では一致するということがまず書いてます。そして、部門別(政府とか民間企業とかです。)には、偶然でもない限り一致しないでしょう。その一致しない差額が「純貸出()/純借入()」だと言っているのです。ですから、(1)から(5)までで書いてきたことを簡潔に書いてくれているだけですね。(あまり簡潔に書かれると、分かったように見えてまったく分からなくなるんですが。。。)

そして、「純貸出()/純借入()」がプラスということは、貯蓄よりも投資が少ないということで、いわば、お金が余っているということになります。余ったお金はどこか他の部門に貸しているということになるのでしょうが、いずれにしても、資金超過と言えそうです。

つまり、「純貸出()/純借入()」をみると、一国内で、どの部門の余ったお金が、どの部門に回っているのか、そして、さらに言うと、一国全体では、余ったお金を海外に回しているのか、それとも、海外からお金を集めて固定資本形成に回しているのか、ということが分かるわけです。

誤解を恐れず簡潔に言うと、部門ごと、一国ごとの、資金の過不足が一目でわかるのです。だから、「純貸出()/純借入()」が注目されるわけです。

更に、政府部門では、もうひとつの有名な項目としてプライマリー・バランスがあります。

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コメント

一般政府のISバランスの値と、「 制度部門別所得支出勘定」における一般政府の「貯蓄(純)」の値が違うのですが、何が異なるのでしょうか。政府のISバランスやプライマリー・バランスの四半期ベースのデータが欲しいのですが、直接取れないようなので、混乱しています。

http://www.esri.cao.go.jp/jp/sna/kakuhou/kekka/h21_kaku/h21_kaku_top.html

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