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2010年6月21日 (月)

ISバランス番外編―基礎的財政収支(プライマリー・バランス)(1)―

ちょっと前に、ISバランス(正確には『純貸出(+)/純借入(-)』)の話を書きましたが、そのときに派生で少し書いた、プライマリー・バランスについてもう少し書いてみます。

日本語で言うと、基礎的財政収支です。これは、小泉内閣のときに、よく出てきた言葉(今も当然出てきますが)ですので、ご存知の方も多いと思いますが、まずは、その定義と言うか計算方法から書いてみます。これは、国民経済計算年報の付表6に出てくるのですが、

 「プライマリー・バランス」=「純貸出()/純借入()」+「支払利子」-「受取利子」

と書いてあります。つまり、この前書いたISバランス、正確には「純貸出()/純借入()」から、ネットで受け取った利子を引いたもの、ということになります。

ここで、プライマリー・バランスの政府の財政面での意味を見てみましょう。

財務省のHPに良い資料がありました。(「日本の財政関係資料」)

http://www.mof.go.jp/jouhou/syukei/sy014_21.pdf

これのP1517枚目)に、プライマリー・バランスについての説明が書いてあります。引用させていただくと、

 ○プライマリー・バランス

  プライマリー・バランス(PB)とは、その時点で必要とされる政策的経費を、その時点の税収等でどれだけ賄えているかを示す指標です。我が国の現状は、政策的経費が税収等を上回り、PBは赤字となっています(以下略)

ということです。つまり、歳入のうち国債収入以外の部分と歳出のうち国債償還費と利払い費以外の部分のどちらが大きいか、ということです。(正確には、国も資産を持っているので、その利子収入も引きます。)

今まで、「純貸出()/純借入()」とは何か、と書いてきましたが、それを大雑把に書くと、

①まず、一部門が生み出した付加価値に「財産所得」とかの移転の調整をして、可処分所得となる。

②その可処分所得から、消費(政府最終消費支出)を引いたものが貯蓄になる。

③その貯蓄と総固定資本形成の差が「純貸出()/純借入()」となる。

ということです。なので、政府が使えるお金(正確には、借金をしないで使えるお金)と、実際に、消費(行政サービスのための消費と考えてください。(512日の記述を参照))と総固定資本形成(主に公共事業などのお金ですが)の合計のどちらが大きいか、を示しているわけですから、正しく、「その時点で必要とされる政策的経費を、その時点の税収等でどれだけ賄えているかを示す指標」というのとぴったりですね。ただ、「純貸出()/純借入()」には、財産所得の調整のところで、国債などの利払い費などが含まれてしまうので、それを差っ引いてあげたものが、プライマリー・バランスになります。

そうすると、定義どおり、

 「プライマリー・バランス」=「純貸出()/純借入()」+「支払利子」-「受取利子」

ということになります。

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