« 住宅の修理 | トップページ | 住宅リフォーム(3) »

2010年5月15日 (土)

住宅リフォーム(2)

昨日の住宅リフォームの話について、こんな意見がありました。

  持家について、帰属家賃を計上するのは良いけど、持家の修理は家計最終消費支出に、貸し家の修理は中間消費と整理すれば良いではないか。

この考え方も、整理のひとつではあると思います。ただ、これで全部すっきり整理できてるかというとそれは疑問で、この場合は、「持家が多い国、多い時期の方が、家計最終消費支出を多くカウントしてしまい、比較可能性が失われる」という欠点が指摘されそうです。

なお、参考までに、昨日の議論は、帰属家賃を家計最終消費支出に入れない場合を議論していて、その場合は、「貸家の多い国、多い時期の方が、家計最終消費支出を多くカウントしてしまい、比較可能性が失われる」ということでしたから、まったく逆の歪みがでることになってしまいます。

結局のところ、持家を産業として、サービスを生産していると捉えていることがすべての問題の出発点なのですが。。。

逆に言うと、こういう問題点が発生する可能性があることも、“Do it yourself”(日曜大工的な活動)を生産に含めない理由のひとつになっているのではないかと考えたくなります。

なお、SNAでは、この点の議論については、「生産の境界」といって、過去からさまざまな議論がなされています。93SNAでは、この理由については、

6.22.したがって、国民経済計算作成者が家計内での家事および個人サービスの生産と消費に伴う産出、所得および支出に価額を帰属することを渋る理由は、様々な要因の組合せ、すなわち、このような活動が市場から分離して独立して行われること、このような価額について経済的に意味のある推計値を得ることの非常な困難さ、政策目的および市場と市場不均衡の分析――インフレーション、失業等の分析――に対して諸勘定がもつ有用性への良からぬ影響、等によって説明される。それは労働力統計や雇用統計に対しても容認し難い影響を及ぼす。国際労働機関(ILO)のガイドラインによると、経済活動人口とは、「体系」の生産の境界に含まれる生産に従事している人々である。この境界を自己勘定家計サービスの生産を含めるように拡大するならば、事実上、全成人人口が経済的に活動していることになり、失業はなくなってしまう。実際的にも、意味のある雇用統計を得ることだけでも、「体系」における既存の生産の境界に戻ることが必要である。

としています。また分かりにくい文章ですが、大きな理由としては、「“Do it yourself”については、まともな市場価格が付けられない」ということが挙げられていることは確かなようです。

ここで、持家については、「似たような住宅賃貸業があるから、それっぽい市場価格を推定することができる」ということも、帰属家賃の例外的取り扱いの理由のひとつに上げることができるかもしれません。

参考までに。。。

6.89.家計が居住する住宅を所有するその家計の世帯主は、形式的には、同じ家計によって消費される住宅サービスを生産する非法人企業の所有者として扱われる。よく組織化された賃貸住宅市場がほとんどの国において存在するので、自己勘定住宅サービスの産出は、自己勘定において生産される財貨やサービスについて採用される一般評価原則に沿って、市場で販売される同じ種類のサービスの価格を用いて評価することができる。換言すれば、持家居住者によって生産される住宅サービスの産出は、住宅それ自体の規模や質とともに、所在地、近隣の快適さ等のような要素をも考慮して、同じ居住施設に賃貸する場合に支払うと考えられる推定家賃によって評価する。同じ計数を家計最終消費支出の下に記録する。

« 住宅の修理 | トップページ | 住宅リフォーム(3) »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/559179/48361157

この記事へのトラックバック一覧です: 住宅リフォーム(2):

« 住宅の修理 | トップページ | 住宅リフォーム(3) »

無料ブログはココログ
2016年8月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31